2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「「甘え」の構造」

対人関係のベースとして甘えというものがあって、それの様々なバランス状態が人間関係だという洞察は面白い。甘えという言葉がない社会で延々と甘え論をやっていたのが、フロイト以降の西洋の精神分析学会だという指摘はさらに面白い。

白と黒

新文芸座の小林佳樹特集で「首」との二本立て。 新事実がぼろぼろ発覚して殺人事件の捜査は二転三転、捜査検事の小林は国会に喚問されるまでに…。

業田良家「自虐の詩」

仕事のあいまに読んでたら泣きそうになって困った。この泣きは、いわゆる泣ける、の泣きではなくて、慟哭とか、嗚咽とか、咆哮とか、そういう種類の、いわばプライマル・スクリームの感情だ。

土居健郎は「とめてくれるなおっかさんのポスター」に言及していた

わたしが思春期をむかえたのは90年代だったから、土居健郎のこの本は、もうとっくに古臭くなった文化論というイメージがあって、しかも当時橋本治「蓮と刀」に衝撃を受けていたものだから、さらに土居の本を忌避したというのもあるのだが… しかし今回はじ…

インベージョン

まるっきり政治風刺映画になってて、SF的ギミックはとてもおざなりに触れてあるだけなのが興味深い(全米上空で爆発飛散したスペースシャトル「愛国者」号の破片に、個人を集団主義者に変貌させるウイルス様生物が潜んでいた…)。あるいはこれは監督の資質…

尻を拭く

ふと思ったんだけど、生まれてから死ぬまで、いちども自分の手で自分の尻を拭くことなく過ごした人は、いままで、どれくらいいたのだろう? まさかゼロ人だとは思わないのだ。そう思うでしょ? 何人ぐらいかなあ…。

中塚圭骸インタビュー(「コミック新現実」vol.4)

このインタビュー自体はすごい。けれども… なので、一九八〇年が元年ですから、今は一九八〇年三〇三月になります。(396ページ) 紙に書き出して確認したけど、インタビュー時期の二〇〇五年三月は、二九三月だぞ。自分で振っといたフリがなってないなん…

わたしは泣いた

大塚英志「『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代」をぱらぱらめくっていたら、126ページ(ちくま文庫版)の見開きのイラストを見て、不覚にも懐かしさで、泣きが入ってしまった。 こういうセンスを喪失して、わたしたちは年齢を重ねてきたのだ。

「三日月」

「ストリートシンガー」にくらべると、幼稚さを楽しもうという方向性がでていて、いかにも1980年代。

映画「ストリートシンガー」

フィルムセンターのインド映画特集。 都会で成功した流れ者の歌手が、慢心し、反省し、去っていく。 言葉も出ないくらい感動した。