2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

戦後民主主義とは茶々のことである

座談会 昭和文学史 第四巻 三島の調べもののために図書館で読んだのだが、三島についてよりも、井上ひさしが時折入れるつまらない茶々のほうが気になってしまった。最初はむかついていたのだが、「戦後民主主義とは茶々をいれるということ」なのではないかと…

血を吸うカメラ

フランケンシュタインものの変種。この映画の主人公は「冷酷な殺人鬼」ではない。刑事の会話から判断すると、彼は三人しか殺していない(しか、というのもなんだが)。青年の主人公が、少年期からのやむにやまれぬオブセッションをとうとう開放してしまった…

視線のサディズム

「GANTZ」のレイプシーンや虐殺シーンを見ていて、おおやってるな、と思った。数年前の新宿大虐殺のシーンも、いつかはだれかがやるだろうと思っていたことを、こちらの想像以上にやってくれて快哉を叫んだものだ。サディズムの本質は嗜虐自体にあるの…

鳥かサイコか

「鳥」をはじめてちゃんと観た。面白かった。終わりかたが、暗転したまま「END」の文字を出さずに配給のロゴに移ってしまうのが、いい。なにしろ「サイコ」は、とうにオチが人口に膾炙したあとで、わたしが生まれたものだから、観てもなにも驚くことがな…

「大菩薩峠」

フィルムセンターで「大菩薩峠」を観た。日本映画全盛期('57製作)のプロダクション力に圧倒された。はりぼての樹の幹でさえ、ありえないほど太いのだ。巨大。ひたすら巨大。大菩薩峠 [DVD]出版社/メーカー: 東映ビデオ発売日: 2005/07/21メディア: DVD ク…

オーソン・ウェルズのシェイクスピア、マクベスとオセロ

シェイクスピアってほんとうに人間のことしか扱わないのだなあ、気候すら心理表現の道具になりさがってしまう…。まさにルネサンスの総決算。

マリー・アントワネット

この監督らしく、あいかわらずディティール重視、ドラマ軽視の作風なのでわかりづらいが、最後の対話(「並木を見てるの?」「…お別れを告げてるの」)にあきらかなように、要するに「旦那が理解力のないアホだったせいで、マリーも巻き添えを喰ってしまいま…