2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ジェリー・ゴールドスミス

そういえばジェリー・ゴールドスミスが2004年に亡くなっていて、私の場合は、では『トータル・フィアーズ』がかれの最後の作品だったのか。私は昭和51年生まれだから、『猿の惑星』なんかはリアルタイムでは知らない世代だが、ゴールドスミスは、なん…

ミドルティーンの性への魅惑と脅え

百均で買った『ツイン・ピークス ローラ・パーマーの日記』(リンチの娘が書いてる)が面白かったのである。デビッド・リンチの映画の登場人物は、そういえばミドルティーン性が横溢しているというか、成長しない。ローティーンの無邪気な成長への憧れとか、…

未来人手塚治虫

『未来人カオス』(講談社漫画文庫版)の「あとがきにかえて」で、「孤独だ孤独だ」と愚痴をたれる手塚治虫に、ちょっとゾッとするのだが…。『人間ども集まれ! 完全版』(実業之日本社)をはじめて読んだのだが、のちの『ネオ・ファウスト』に通じるものが…

「胡散臭い」

「素人臭い」というのが、「プロであるはずなのに素人みたいだ」という意味なのだから、「胡散臭い」は「あやしくないはずなのにあやしいようだ」という意味で使わなければおかしいはずなのだが、今はみな、明らかにあやしいものを胡散臭いと呼んでいる。お…

戦後生まれのトンデモ教育論

教育は資本主義が登場するより以前から存在する。http://blog.tatsuru.com/2008/10/27_1055.php その後、江戸時代に入り、商工業の発展や社会に浸透していた文書主義などにより、実務教育の需要が一層高まり、先ず江戸や京都などの都市部に寺子屋が普及して…

宗教と教育

私がいま読みたい小説は、主人公が新興宗教の信者の子どもで、世間と家庭のギャップに悩むとか、そういうものである。いまだに宗教は生活に大きな影響を及ぼしているのに、現代日本のマスコミはそれをないものとして扱っていて、とても偽善的なのである。内…

性交・薬物・音楽

チャールズ・マンソン [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント発売日: 2004/08/06メディア: DVD クリック: 9回この商品を含むブログ (18件) を見るたまたま百均の棚にあったのを買って見たのだが、面白い。豊かな時代の最初の世代たちの蹉跌の…

このディケイドを回顧

『イーグル・アイ』を見て、この十年をふりかえる気になったのである。『イーグル・アイ』は私をそうさせる作品だったということだ…。 1996『インデペンデンス・デイ』『ザ・ロック』『スクリーム』『エグゼクティブ・デシジョン』『イレイザー』1997『タイ…

信じることについて

http://web.soshisha.com/archives/otaku/2006_1123.php↑このページは今日はじめて読んだものだけれど、http://d.hatena.ne.jp/mailinglist/20080721/p2こちらと響きあうようで、なんだか面白い。萌えについても、ちょっと考えてみようかな…。さいきん『ワイ…

文字は記号、絵は記号?

やはり手塚のマンガ記号論は納得できないのである。べつに手塚はそうは言っていないが、マンガの絵は文字などの記号とは格段にちがう「記号」であるだろう。セリフを翻訳さえすれば外人(の多くに)通じるのだから。マンガの絵は、ファインアートの模倣なの…

世界か人か

竹熊健太郎のいう「オタク密教派と顕教派」の問題を考えている。あるいは、理論派とミーハー派はなぜ分かれてしまうのか。ヒトは外界を人間かそれ以外の事象かで分類する。対人間は「社会の問題」で、対人間以外は「世界の問題」なのである。ヒトが社会的な…

信じてなかったの…

マンガ喫茶で山本直樹『レッド』をぱらぱらめくっていたら、巻末に押井守と著者との対談が載っていた。押井の学生運動体験には前から興味はなかったのだが、どうやら特に共産主義を信じていたわけでもなく、なんとなく、あるいはスリルがあるから参加してい…

不良と浮浪児の歴史

1933年生まれの岸田秀が早稲田の学生だったころに住所不定で野宿したり知人宅に泊まったりしていたのは本人が語っていることだが、そのころは60年安保までもまだ数年あるという時代だった。1924年生まれの安部公房は、満州からの引き揚げの途次に…

『ポニョ』について

「3つのどの『ポニョ』も、『ポニョ』という一つの人格である」という事態を、思わず笑ってしまいます。「なんでこんなことしたの?」と思ってしまいます。http://d.hatena.ne.jp/gginc/20080731/1217496366 せっかく星をいただいたばかりなのに難癖つけて心…

作品の有効期間をどう設定するか

『イーグル・アイ』はオリジナリティのかけらもないつぎはぎのエンタメ映画だが、しかし、見ている間はまずまず面白いのである。だから、まあ評価しないでもないのだ。評価するには評価対象を限定しなければいけないわけで、大塚が著者生前に公刊されなかっ…

文化的失語症からの回復

夏目房之介『手塚治虫はどこにいる』を読んだら、意外に晦渋で憂鬱な文章で、これはなんだろうと思ったのである。おなじ著者による『手塚治虫の冒険』とあわせて読んだのだが、この本のはじめのほうの記述で、69年ごろ何をどう描けばいいのかわからなくな…

『イーグル・アイ』

スピルバーグ全人類に警告。この映画トリビアがわからないキミはゲーム脳だっ。『マイノリティ・リポート』の、特に後半を、現代を舞台にしてリメイクしてみました映画。主人公が双子の片割れというのは『9デイズ』だし、楽器屋の親父が主人公らと絡む場所…

タイムトリッパー夏目房之介

『漫画学』(ちくま文庫)を読む。たしか学生の頃も買って読んだ記憶がある。私は、再刊本や文庫版などで昔のマンガを読むわけだが、夏目は同時代の目撃者だったわけで、そういう人特有の歪みがあって面白い。私の歴史は、つまりカメラアイであって(マンガ…

タイムセーバー手塚治虫

初期の手塚作品ばかり読んでいたら悪酔いがしたので、『未来人カオス』を読んだりする。しかし手塚は、…なんというか、時間を漫画という方法で跡付けたというか、固定したというか、そういう稀有な存在だと思うのだ。絵柄をここまで変えて漫画家でありつづけ…

若い声

病院の待合室で雑誌を読んでいたらラジオから愛川欽也に似た若い人の喋り声が聞こえてきて、…と思ったら愛川欽也本人だった。すごい、プロだなあ、とも思うし、もしかしたら機械にかけているのかとも思う。それぐらい若い声だった。たぶん雑誌は週刊朝日だっ…

たしかに「おかしい」

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20081020一瞬、阿部という人は尊皇家なのかと思ってしまったが、つまり、キーは「話をしなければ天皇の差別についての知識は増えないだろう」という発想なのだろうな。こういう発想は、日本的世間にはない。というか、「…

ざわめく知識欲

ブッシュは惨敗した。ところがこれがきっかけで、テキサス訛り、カウボーイ風のよたよた歩き、キリスト教原理主義、というテキサス男のスタイルをコピーしていくことになる。http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20081021 ここまでツクリだったのか…。他人の経…

内田樹という夢

http://blog.tatsuru.com/2008/07/04_1326.php内田せんせえったら、自分の気に入らないものはみんな夢にしちゃうんだから…。日本人の典型あるね。『ロジャー・ラビット』や『カラー・オブ・ハート』やエピソードⅠ以降の『スターウォーズ』や『300』をつく…

もし世界が八百長だったら、そこで生きる意味はないか? 『スピード・レーサー』

ほめてる人がわりといるので、目黒で見てみた。たしかに面白い。カラフルで子どもっぽい演出にしているのに、企業間の暗闘などがテーマなので、いまいち受けなかったのは想像できる。マトリックス的な格闘シーンは、これはきっとジョエル・シルバーの厳命に…

ガツガツするからガキ

とにかく、そういう情報量っていうのはすごかったですよ。あの頃は、幸せでしたね。また、そういう情報ガキっていうか、情報にうるさい子どもに育てられたわけね。(手塚治虫『漫画の奥義』光文社知恵の森文庫 72ページ) 「情報の洪水」なんて、私が生ま…

心が大事なのは、心が大事と叫ぶことでメシを食ってる人の収入にかかわることだから

自尊感情を維持したまま生きていけるような家族をどうやって再生するかhttp://blog.tatsuru.com/2008/10/15_1715.php 自尊感情というのが錯覚の一つでしかないことを教育されて知ることが、現代人の義務であるとしか思えないのだが…。何のために近代国家をつ…

唐沢俊一とはなにものだったのか

北海道での宇宙戦艦ヤマトファン活動についても、回想と実際とに齟齬があるのだそうで、ここらへんでにわかに興味がわいてきたのである。なんだか『全身小説家』みたいな感じになってきたのだろうか。悪文とか盗作とかには正直興味はないが、来歴にフカシが…

現実の破綻を認めず、しかし、危機への備えは人一倍

日本人って、私も含めてこうだと思うのだ。自治体が目的もないのに裏金作りをしていた件。備えることが目的になってしまっている人は、ほんとに多い。なのに破綻がせまっても、それまでの準備をリリースしない…。ばんばん臣民が死んでも降参しなかった大日本…

告知すべきか否か

病気の場合だって告知すればいいというものではない。さて、経済(就労)の場合は…。テレビのニュースで、日雇い派遣のトピックを取りあげていて、「仕事をよこせ」と書いた帯がちらっと見えて、で、その言葉づかいが不審だったというわけだが、これは、つま…

博物館寄贈という「判断停止」

実家のコレクションにインディ・ジョーンズのシリーズのDVDがあったので見た。もしかしたら、『魔宮の伝説』は、いままでテレビ放送版しか見てなかったのかもしれないなあ、と、ところどころ見覚えのないシーンが出てくるので、そう思った。のちの「ナシ…