2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧
イーストウッドの映画生前葬。床屋といっしょに「男の話し方」を伝授するあたりで、なんだかじい様がトゥーマッチなことをはじめているぞ、という気がしてきた。女に臆するなといってるわりに、映画の総体がなんだかゲイっぽいのである。血のつながらない「…
都会を歩きながらイヤホンで音楽を聴いていたり、田舎の農家がスーパーで野菜を買ったりするのは、ほんとうはおかしいのだが、だれもおかしいと思っていない。都市の都市性、田舎の田舎性を、日本人は好んでうすめているのだ。うすめないのは、アラブ圏とか…
ほんとに都市と田舎だけしかない文明があって、個室をもたず、共同便所や共同浴場のみを利用して生活していたら、たとえば伝染病なんかが発生した場合、あっというまにひろまって文明自体がつぶれてしまう。だから「文明の贅肉」として住宅地が都市から隔離…
重要なのは都市化ではなくて宅地化である。田舎というのは徹底的に生産の場で(自然を食品や資材(材木など)に変換する)、都会というのは交換の場だったわけだ(交換に利潤を足して、交換の価値の順位をつける)。生産だけでも、交換だけでも、ヒトは疲弊…
フロイトがユダヤ人でヒステリーを研究していたなんて、まさに「郊外」の事象ではないか。二十世紀にはいってフロイト思想が浸透したのも、聞く耳を持つ「郊外」が育ったからである。農村や都会にこそ宗教があって、郊外には宗教は必要ない。生産する努力が…
都市の企業の商業活動において、会社に秘密の取引をしたら、そりゃ「背任」である。悪くすりゃ刑務所行きの犯罪なのだ。郊外の家庭生活において、家庭に秘密の関係が発生しても、これ、べつになにもいわれないのが私には不思議なのだ。「不倫」って、べつに…
プロというと、苦節をかさねて一芸にひいでるといった雰囲気があるが、ごく簡単にいってしまえば、それを他人がしてないことをする人という意味でもある。じつは本当にひいでているか、詳細な実験をへているわけではないから、わからないのである。だから「…
テレビというのは、郊外のメディアだったのだなあ。これをうっかり忘れていた。都会にいたら、知らないことは知っている人に聞きにいけばいい。農村だって、知るべきことは農業や狩猟、地理についてなのだから、知ってる先輩に聞けばいい。住宅地は住宅以外…
本当に都会の子だったら、だいたいの仕事はひととおりできるはずなのだ。できないことはすぐできませんというだろう。養老先生が『逆さメガネ』で言ってた「メスの握り方がまちがっている子」というのは、郊外育ちの子だったのではないか。郊外育ちの子は、…
それは天子という地位は、これまでの部屋住の境遇とは違って、莫大な金銭が自由になる結構な身分であるからだ。(宮崎市定『水滸伝 虚構のなかの史実』中公文庫23ページ) サラリーマンが家を買うって、つまり「部屋住」の身分なのに「家」を買ってるってこ…
私は樋口一葉や滝廉太郎がバージンだったかどうかには関心がないが、養老先生がなぜあんなに性に関するコメントを抑圧するのか、まえから不思議に思っていた。小説読んでていらぬ性描写が出てくるととばすとか、中国語圏で宿をとると「要 不要」とかかれた紙…
都会で金を持ち出しにして生活する奴は馬鹿だしhttp://d.hatena.ne.jp/mailinglist/20090428/p2 じゃあ住宅ローンとかどうなるんだよと自問しながら書いたのだが、そういえば、だから宅地なんじゃないか、郊外なんじゃないかと、卒然として自答が浮かんでき…
むかし鈴木信太郎の本を読んで、やけに睡眠時間が短いのに驚いたことがあったが、まあ「そうだというからそうなのだろう」。人間の動作の基準というのは、おどろくべきことに「ない」のだ。ここ15年ぶりに体重が80キロを割りつつあって、しかも筋トレしてい…
養老孟司の“逆さメガネ” (PHP新書)作者: 養老孟司出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2003/08/02メディア: 新書購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (46件) を見る本の最後に「構内はバリアフリーなのに、なぜ入試などというバリアをもうけるのか」…
こういうこと親が教えてくれてたらな、と思うが…。要するに都会というのは金をあつめる場でしかなかったのである。農村では自然を駆使して食料を生産するけど、都会ではコネを駆使して価値を生産する、企業って、価値でもって金を買ってたんだ。銀行の融資で…
冠婚葬祭の冠祭はすでに、婚もだんだんとなくなってしまうようなものだし、議論も、たとえば国会は国民の代表が議論するところだから面白い議論が交わされるかといえばそうではないし、正義や大義を疑うなんてありふれたファッションになってしまったし…。儀…
「水滸伝」に興味をもったが、なにしろ長いので、とりあえず宮崎市定著『水滸伝 虚構のなかの史実』(中公文庫)を手に取った。そしたら、なんと、はじめから金の話、金のせいで社会が混乱して…、とはじまったので驚いた。地方から金をすいあげて都市で乱費…
まえにも書いたが、体面って言葉はよくできてるなあ、と思うのだ。男でいうと、顔をちゃんと整えているだけではダメで、体もスーツとか着なけりゃいけないということか…。ふと思うのだけど、私は歴史小説と演劇が苦手だったのだけれど、これはルーチン性と身…
相手の言うことを聞かないでいて、相手が自殺したからって嘆くなんて空々しい。人に「死ぬな」と言うからには、それだけのことをしろって言うんだ。自殺された周囲の人間が思うべきは「あなたの望みに合わせられなくてすみませんでした。成仏してください(…
中島らもが死んだとき、ああ、中島のことをまったくしらない一般人はなんて早死になのだろうと思うのだろうなあ、と思った。私だって中島のことをよく知っているわけではないが、それでも「けっこう長生きしたなあ」と思った記憶がある。ナンシー関の場合は…
キツイ、キタナイ、キケンのことを3Kというようになったのは1980年代後半だったか。小谷野さんが「学び」というのを批判しているのを見て、そういえば「気づき」という言葉遣いが1990年代くらいから発生していたなあと思った。気づくことや学ぶことは、とり…
鏡の女たち [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント発売日: 2004/12/22メディア: DVD クリック: 5回この商品を含むブログ (21件) を見る以前みたときは反感があったのである。田中好子や一色紗英の描き方が、あまりに同情を欠いているように思…
岡田茉莉子はつらい過去と心労によって、田中好子は記憶喪失によって、一色紗英は再燃した家庭の事情によって、「家」の問題から免除されている。(よその)家に参加させられることから免除されている。西岡徳馬は「家」ならぬ家を家の外につくることで、家…
身体論者になってから、映画の見方がかわりつつあって、まあ前からすこしはそうだったが、映画のなかの人がする談話には根拠がないかもしれないんだよな、と思いながら聞く…。つまり、どんな話も、話であるという時点で「宇宙人による誘拐報告」なんじゃない…
経済の話をきいていて不思議に思うのは、細かいことまでお金で購うようになったのって、そうはいっても戦後からでしょ、というのがあるから。健康保険や国民年金だって戦後の話。社会のしもじもまでが、自分の収入からなにもかもやりくりするようになったの…
完全保存版 ジャニーズの歴史―光も影も45年作者: ジャニーズ研究会出版社/メーカー: 鹿砦社発売日: 2008/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 116回この商品を含むブログ (6件) を見るジャニーズ事務所については、一般以下の知識しかないので勉強になっ…
ハロウィン [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント発売日: 2009/03/06メディア: DVD クリック: 6回この商品を含むブログ (17件) を見るよくできているのだが、怖くはない。なぜ怖くないかというと、殺人鬼がどういう家庭環境のせいで心が歪ん…
都市は第一に人がたくさんいるところなのだから、不況になったら、必要なことは、不正規なルートで間に合わせてしまえばいいのである。間に合わせているうちに、その物事が、自分にとって必要なものかそうでないかがはっきりしてくる。不正規なことをやって…
支配と服従の倫理学作者: 羽入辰郎出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2009/03/01メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 143回この商品を含むブログ (9件) を見る小谷野さんの記事を読んで立ち読みしたけど、違和感がある。集団と関わるに際して、自己を…
私はおととい内藤朝雄のサイトを覗いて、まだ芸能マスコミが山本モナを追いかけ回しているのを知ったのだが、ここでやっかいなのは、内藤氏は読者にマスコミが山本氏を「いじめ」ていることを告発しているわけだが、しかし、雑誌にもテレビにも関心がない私…