2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

偶像崇拝

フランク王国の歴史について本を読んでいたら、キリスト教会も初期は偶像崇拝を禁止していたらしい。禁止したい側の感情をいろいろ考えてみたら、たしかに、わかるという気にもなってきて…

ヱヴァ:破

期待しすぎた。後半の話の整理の仕方はきれいだとおもった。ドラマ部分はさすがにつらい。トレンディドラマ風の昔懐かしいやりとり。終盤シンジが使徒にとりこまれたレイを引っ張り上げるシーンに力が入っていて、ああ今回やりたかったのはこれなのかと思っ…

死の絶対性があるのなら

生もまた絶対性のもとにある。他人の人生を乗っ取ることはできない。だから「エノケン本人になりたかった」とのたまった筒井康隆に私は驚くのである。ある人がある事象をどんな言葉でもって表現したところで、その「物語」が事実になったり虚偽になったりす…

啓蒙主義の光と陰

手塚の『火の鳥』の黎明編だか未来編だかで、雨乞いの効用を唯物論的に説明したくだりがあったが、ずいぶん極端な話だと思ったものだ。これはしかし、理屈が整ってる「から」かえってマンガに見えるのだともいえる。因果ではなくシステムだの構造だのと言い…

唯物論の呼称の起源は

「唯物論」と言う呼び名は、十七世紀西欧に遡る。十七世紀末ライプニッツは、すべての実体を物体的なものであるとするエピクロスにならう者たちを materialistes と呼び、デモクリトス主義者やホッブスの名をあげ、不敬を醸成する者たちとした。http://ja.wi…

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

アメリカが弱気になっているのか。老いて生まれて、赤子になって死ぬという主人公の設定は、そうすることで人間から人生を抽出し、さらに、男女の宿命的なすれ違いまでも表現しようという欲張りな動機からのもの。しかし、まさにそこが問題だ。アメリカは欲…

『トランスフォーマー/リベンジ』

こういう映画も、とうとう俺の見るものじゃなくなった。さすがに卒業という気がする。

感覚的な人

出遅れた話題だし、話の本筋からも外れるけれど、いま知ったので書いておくと、小谷野さん、官能的な人はともかく感覚的な人という表現はあるでしょう。非論理的な人、語彙が貧弱な人という意味で、「感覚的な人」という表現は、しますよ。官能という語は、…

日本という国

氏姓制度による集団化、早い段階で権威を外国にゆだねたこと、宗教を精緻化しなかったこと、どちらかというといたずらにバラエティを拡大したこと、いったん中国のような王朝を築いたけれどすぐにぐずぐずになったこと、武家支配がかなり長くつづいたこと、…

啓蒙主義

マルクスはルソーに心酔していたとのことで、啓蒙主義についてもウィキペディアを読む。ルソーには関心なかったけど、サドの同時代人だった。

理性

つい知性の意味でつかってしまうけれど、もちろん文字通り、理由付けのことだ。理性ある行動とは、理由がそなわっている行動のことだ。そういう意味でいったら、純粋な理性というのは、それは、なさそうな感じがする。文化や生育歴に当人の理性は規制される…

ベルリンフィルのユーチューブサイト

映像もきれい。

合意形成主義

『日本仏教史』の解説で橋本治がいう「自分の頭で考える」というのは、これは啓蒙主義なんだ。カントの方が正しい。自分の頭で考えるのではなく、自分の目で見て、他人も納得する考えを考えるべきだ。オカルト的な仏教思想を、「私は理解できない」なんて、…

大衆運動としての明治天皇制

(くだらないので本文削除。タイトルには愛着があるので残しておく)

「情況への発言」全集成〈3〉

「情況への発言」全集成〈3〉1984~1997 (洋泉社MC新書)作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2008/05メディア: 新書 クリック: 12回この商品を含むブログ (5件) を見る1993年、高校生の頃背伸びして『試行』を立ち読みした懐かしい思い出。

ファンタジーのありか

そういえばまず第一に、ファンタジーの在処は家族なのだった。小谷野さんがディケンズは当時の大衆文学ではないということを言っていて、それはわかるのだが、真面目な文学と通俗的な文学との違いは、歴史が下るにつれてその関係がいろいろ変わっていっただ…

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]出版社/メーカー: CCRE発売日: 2009/02/27メディア: DVD購入: 8人 クリック: 220回この商品を含むブログ (111件) を見る 面白い、とは思った。前半の背景説明はもっと長くてもいい。もともと共産党にあった暴力革命…

大衆の原像と自立

代案を出せというのが、じつは間違っている。オルタナティブを出したら、それが現行の主流と戦わなければいけなくなる。革命はすぐに反革命になって、抗争と権力転覆は止むことがなくなる。国家を改革するのではなく、個人がより自立して、国家を相対的に骨…

なぜ大衆の原像なのか

つい大衆の虚像をつくりだして、それにダメな前衛はすがってしまうから。

栗本薫に入れ込みかける

が、入れ込まない。かわりに入れ込んだ人の文章を読む。 森茉莉のような古文調や旧字体ではなく、現代の言葉で書かれたまよてんのような話なら。「自分でも書けるかもしれない」そう思わせた、それこそがモノリスの所以なのだ。 http://unasama.at.infoseek.…

『吉本隆明1968』

新書459吉本隆明1968 (平凡社新書)作者: 鹿島茂出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2009/05/15メディア: 新書購入: 2人 クリック: 21回この商品を含むブログ (41件) を見るわかりやすい敵に敵対するやつは、そいつも気をつけろ。転向にたいする態度には階級差が…

『タナトスの子供たち』

タナトスの子供たち―過剰適応の生態学 (ちくま文庫)作者: 中島梓出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (38件) を見る後半の議論がずいぶん厭世的だ。 なぜやおいマンガややおい小説を求める…

『美人好きは罪悪か?』

美人好きは罪悪か? (ちくま新書)作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/06メディア: 新書購入: 13人 クリック: 476回この商品を含むブログ (18件) を見る小此木啓吾の分類によれば私は典型的なシゾイド人間なのだが、小谷野さんはアイデンテ…

『美人好きは罪悪か?』

美人好きは罪悪か? (ちくま新書)作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/06メディア: 新書購入: 13人 クリック: 476回この商品を含むブログ (18件) を見る恵美押勝の反逆の理由が本当は光明皇后にあったのに、それは皇統の乱れを証すスキャン…

院政

日本の社会が安定している理由を小林よしのりは天皇の権威に求めているけれど、どちらかといえば引きこもりがちですぐ徒党を組む日本人の性質にもとめたほうが適切ではないかと思う。藤原氏は天皇の座を狙わなかったとしているけれども、小林の院政の捉え方…

天皇の伝統?

武士から王へ―お上の物語 (ちくま新書)作者: 本郷和人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/10メディア: 新書購入: 2人 クリック: 55回この商品を含むブログ (35件) を見る天皇はなぜ生き残ったか (新潮新書)作者: 本郷和人出版社/メーカー: 新潮社発売日:…

当為だけで動くのは変

くどく繰りかえすと、天皇にかんしての呉さんや小谷野さんの意見には納得できないなあということ。本郷氏の本を読んで、天皇の地位も歴史のそれぞれの時期にいろいろだったことを知ってしまった以上、皇室の伝統に則って京都に帰る、帰すというのがもう無意…

『天皇論』

ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論作者: 小林よしのり出版社/メーカー: 小学館発売日: 2009/06/04メディア: 単行本購入: 23人 クリック: 169回この商品を含むブログ (79件) を見る明治憲法の天皇の地位が総覧者であって統治者ではないのだ、第一条の「統治」と…

幻想の核家族

明治の理想すなわち幻想が大家族で、大家族をつくるために人々は立身出世を夢見た。戦後昭和の理想が核家族で、核家族の住処としての一戸建て、文化住宅や団地がブレイクした。 明治の文学は、大家族の幻想におしつぶされそうになった個人の逃走劇だと思うと…

井上章一『日本に古代はあったのか』

グーグルのブック検索にあった。 とりあえず現在があることを認めないバカはいないだろうと思うのだ。この時点で現在と過去がある。その過去の区分をどうするかで、いろいろ人によって食い違いがあるということなのだろう。歴史に古代を認めないというのは突…