2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

星新一の正しさ

『雑学コレクション』の228ページに、「糖類やプリンの研究により」とあって、おやと思い原文をみたら「the sugars and purines,」とある。あたりまえだがプディングのことではなく今や「プリン体」で有名なあのプリンなのだ。もちろん間違ってはいないのだ…

ノブナガ・オダを殺したミツヒデ・アケチは、ヨシモト・イマガワに討たれた

って、英語の本に書いてあったら、外人はほうそうなのかと思うであろうか。一年経って気づくのも間抜けな話だが「輪廻する指揮者たち」の項がリンクされていた。私は、星はわかっていてやったと思っているのだが、私の意見に対して誤訳説はコメント欄のkokad…

共感CMの歴史

試写会で映画を観終わった一般客がカメラの前で「面白かったです」「感動しました」などとコメントをのべて、それを編集したCM。専門的な名称は知らないが勝手に「共感CM」と呼んでいる。きのうVHSを整理していたら、1994年『ミセス・ダウト』のコマーシャル…

主体と観測者

戦後すぐの映画グラフ誌など読んでいると、戦前の邦画についてのスナップをよく見る。で、女優の仕草などを眺めていると、ああ「女ってこういうものとして想像されていたんだなあ」と感にたえないのである。男が女を差別する→女が差別されている→差別される…

『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』

ゼロ年代の『ユージュアル・サスペクツ』。私は消極的な死刑反対派だが、これはいただけない。「死刑反対をとなえる奴はこんな極端なことを考える気違いなのだ」という宣伝にしかなってないと思う。

会津と長州

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20100928 星亮一の本を読んで気楽に面白いなと思っていたら、ネットでけっこう怒っている人たちがいて、ふーんそうなのかなどと思ったことがある。個人的に思い出深いのは、改元前後に日テレが紅白の裏で流した白虎隊のド…

くせと宗教

ゆうべは『十三人の刺客』の夜中の回にいったのだが、本編上映間際になって両手首に数珠のブレスレットをした五十代くらいの男が隣に座ってきて、上映中、残酷シーン格闘シーンになる度に画面に向かって軽く拝むのがおかしかった。冒頭の残酷シーンで席を立…

白黒

龍馬伝の画面の色合いがうっとうしいので、テレビをいじって白黒にしてやった。

サンデル教授

プーチンに似ている気がしていたけれど、じっと見るとそれほどでもない。しかし社会って、こんな講堂でああだこうだ語れるほど狭くないぜ。病気の人に注視しよう、死にいく人を看取ってあげよう、異性を好奇の目で眺めよう。外人の常識を笑いながら驚嘆しよ…

『十三人の刺客』

稲垣吾郎演じる斉韶にぞっこん惚れてしまったのである。宮沢賢治の「毒もみのすきな署長さん」を思い出してしまったのである。待ち伏せにあって郎党たちが斬られていくのを、少し離れたところから眺める斉韶。ようするに私たち観客は、彼なのである。

ホルスと長猫

どちらも未見なのだが、長猫のキャラクターはどうも後のルパンの造型に影響をあたえていはしないか。 ホルスのあらすじをウィキペディア解説で読むと、これはゲド戦記と対比して考えたくなってしまうのだが。 高畑勲はこの作品以降、東映動画を退社するまで…

無害な?なりすまし

近くの図書館に「利用カードは登録者のみが利用できます。ご家族の間での貸し借り、友人への貸出、第三者への貸与や譲渡はできません」とあるのだが、変な文章である。まず「第三者」というのはこの場合、図書館、利用者以外の人という意味だから変。それに…

図書館をつかわないひと

というのが、わりといるのである。世間に出てから、そういう人をけっこうよくみかけるので、私などはまずはじめに図書館にあるかないかを調べる方だし、意外だった。で、こういう人が自分が買った本を大事にするのが面白いのである。本をコピーしてはいけな…

図書を貸す機能、一カ所にプールしておく機能

移動図書館というのは、私は体験したことがないのだが、経済的地理的に不利な家庭にも読書を体験させるしくみがあったらしいのだ。日本に現存してるのだろうか。一方、だれかにその図書を貸して他人に貸せなくなっては困るものは、禁帯出の措置をとって、一…

読書体験

読書体験を、落ち着いた場所で本をゆっくり読み通すことだとしておこう。その場合、図書館で情報を確認したり、本屋で立ち読みしたりするのは読書体験ではないということになる。移動図書館は、貸した本を利用者が自宅でゆっくりおちついて読むことを前提と…

これほんまものの暴力

すごい。撮った人も偉い。有無を言わせぬってこのことだ。

価値観逆転体験

『悪人』は、映画は前半はよかったが…。ドストエフスキーは一冊も完走したことないんだが、『罪と罰』があったからああいう感じのものが純文学と看做された、というよりも、価値観逆転体験についてドストがしつこく拘ったことが明治大正の読書階級の青年たち…

映画版『悪人』

昔の映画は、美男美女の俳優が恵まれない境遇の男女を演じて、観客を陶酔させていたが、『悪人』はその路線の復活といった風情で、面白いと思ったのである。妻夫木聡などよく化けていたとも思うし。

宮崎駿『出発点』

著者はせっかく大手アニメスタジオに就職して修練をつみはじめたのに、時代は手間のかかる美麗な劇場用アニメではなく、安価で大量に仕上げなければならないテレビアニメのものへ移っていく。やればできるはずなのになんでみんなやらないんだと青年の著者が…

マーラー

まあ、長いから…。第一番は、個々の楽章はそれぞれ面白いけど、通して聴いたら各楽章の連関がぼんやりしていて、長い曲をなんとか聴き通した感動が勝ってしまう。宗教を他の曲より押し出した第二や第八は、生前から評判になっている。

「その絵がなぜ動かなければならなかったのか?」(ついでに、大について)

原作クラッシャーとしての1970年代の宮崎駿。モンキー・パンチの劇画『ルパン三世』を。ヨハンナ・シュピリの小説『ハイジ』を。アレグザンダー・ケイの『残された人びと』を。他人様の作品を傷つけるのにしのびない。その思いが1980年代のナウシカ、ラピュ…

ルパン、ルパン

怪獣ブームがあって、妖怪ブームがあって、第二次怪獣ブーム、スポ根ブームがあって、それぞれ特撮番組、アニメ番組などがヒットしていたが、旧ルパンはさすがに早すぎた。なにしろ、旧ルパンがはじまった時点で、鉄腕アトムからまだ10年も経っていなかった…

ブキミな1980年代

ドクタースランプのアニメにリメイク版があったのなんて知らなかった(1990年代)。 それにしても、今回はじめて気づいたのだが、キツネの面をかぶった少年は、あれ、つげ義春のパロディだったのだ。私がつげ作品を読み出したのは中学生の頃だから、パロディ…

シュレーバー症例が廉価版になるのか…

http://www.amazon.co.jp/review/R3C6XXBJ4PVR3Y/ref=cm_cr_rdp_perm だから岸田秀がむかし訳したシャッツマンの本を先に読めって。シュレーバーはわれらの同時代人でもなんでもないよ。

昭和46年下半期の日曜の夜

日テレがキックボクシングと歌番組を押さえて、TBSとフジが子供番組で競っていた。テレ朝になるまえのNETは「アップダウンクイズ」と「スターものまね大合戦」。東京12チャンネルは「ちびっこスペシャル」。TBS 18:00 好き!すき!!魔女先生 18:30 ふしぎなメ…

旧ルパンが低視聴率にあえいだ理由

旧ルパンの本放送は日曜日の夜であった。日テレ系の同時間帯の前番組がドリフの番組だったというのは面白い。ルパンはドリフと比べられてしまったのだ。ルパンの制作費はドリフのそれよりは低かったろうから、期待される視聴率もドリフほどではなかったろう…

旧ルパン三世の演出家交代劇

ウィキペディアによれば、第三話の視聴率が出て、スポンサーらが大隅らをつきあげて、大隅が演出を降り、大塚康生が宮崎駿と高畑勲に演出を依頼したそうなのだが、そういう事情の流れで、第四話の手直しなんかできるものだろうか? 第四話は第三話の一週間後…

小谷野さん

「愚図」じゃダメなんですか?

ルパン三世第1シリーズ

「エメラルドの秘密」や「宝石横取り作戦」などは、たしかに後年の宮崎駿作品を彷彿とさせる感覚がある。前者での、キャサリンの言葉にいいようにふりまわされてアタフタとマストにのぼり、プールにとびこみ、そしていきなりあらわれてキャサリンと踊りだす…

テレビと宮崎駿

アニメ業界の低廉体質を招いたとして手塚治虫を批判したりした宮崎だったが、だったらアニメ工房との取引先であるテレビ局も批判すればよかったのにと思うのである。ナウシカが当たって、いいものをつくればそのまま当たると勘違いしてラピュタをつくってま…