2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

既視感について

なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 記憶と時間の心理学作者: ダウエ・ドラーイスマ,鈴木晶出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/03/26メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (12件) を見る12章の、「「楕円形の鏡のなかを私たちは…

一人称を二人称のように使う

これはメモ。ついさっき渋谷のユーロスペースで『明日泣く』を見てきて、これは面白かったのだが、それはさておき、劇中で覚せい剤を吸引しようとするヒロインの汐見ゆかりを、主人公の斉藤工が制して「そういうことはてめえの家でやれ」と説くのだが、この…

『東海道五十一駅』

「ロクシィの魔」という短編が未読だったので借りたのだが、その経歴に田中康夫をモデルに求めたりもしている中堅作家が主人公の小説で、彼は睦月影郎と小谷野敦自身を作者がこきまぜたとおぼしい存在だ。作者が別の場所で激賞した睦月の情事日誌は、私はこ…

『母子寮前』を単行本で再読した

以前読んだのは雑誌に掲載されたときのことで、しかも立ち読みだったのに、本文のだいたいが記憶に残っていたことに驚いた。立ち読みで熟読していたなんて、本屋には迷惑な私だったと思う。 初読時から印象に残っていた箇所がふたつあって、単行本では41ペ…

王兵(ワン・ビン)監督『名前のない男』

地面に穴を掘って、そこで暮らす男を、カメラは追う。その映像は100分近く続き、そして男は画面の奥へ去っていく。 どうやら男は気が触れているのか、それとも発狂しているのか、他人と交流する一切の意思を欠いているように見受けられる。画面外の、カメ…

放言

なるほどたしかに中国は儒教が必要な国なのだな、ということをワン・ビンの映画を見て思った。人々の自己中心性が、規律や社会体制を要請する奇妙な逆説。韓流の映画作品がハリウッド風味を、中国や日本より巧みに取り入れているのも、韓国に、隣国よりも深…

『天皇ごっこ 見沢知廉たった一人の革命』

かなりいいと思ったので、御紹介する。いま感想をノートにしたためているのだが、下書きをしてまで論じたいと思った映画は久しぶりである。この日本の社会で、自分が不完全燃焼していると感じているような、燻ったやつらは、みんなこの映画を見に行くべきで…

自転車

きのう友人が、東京は自転車で移動するには諸々具合が悪い、という話をしていて、帰宅してから小谷野さんのブログを覗いたら、やはり似たような話題を書いている。 私は中学高校と東京のはずれのほうに住んでいて、自転車のヘビーユーザーだったが、都心のほ…