2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画版『ドグラ・マグラ』

ずいぶんすっきりしていたのが意外だった。松本監督は、よく存じ上げないが、たぶん、涼しい感じの方なのだとおもう(トークショーを拝見した)。一方、夢野久作はどうだったろう。暑苦しい、とまではいかなくても、ちょっとくどい性格ではなかったろうか、…

『L Change the WorLd』

不思議な映画だった...いろいろ吹き出したところはあったが...。逃避行する話なら、夕暮れのロングショットとかあったら、グッときたのに。なんとなく平泉成のもとに着いてしまうのがもったいない。秋葉原で部品をみつくろって通信機を組み立てるシーンは、…

『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』

確かに面白い。スクエアな人格だった主人公が、一皮むけるお話。面白いんだが妙に一面的なところもある。主人公への非難が「ファシスト」という言葉で、その言葉を言う犯人は、狂っているから、その言葉は聞くに値しないものとして表現されるのだ。これは意…

経済はかならず破綻する?

野口武彦『荻生徂徠』は、むずかしいので、読めるところのみ読んで返却。もしかしたら、経済というものは、必ず破綻するものなのかもしれない。物々交換が、商品経済になり、貨幣経済になり、金融経済にまで発展したら、いったん御破算にするしか、後がなさ…

事実をつみかさねても思想にならない

最近のお気に入りフレーズ。思想というのは、つまりはルールのことで、事実とルールは、図と地の関係であって、両者はまざりあわないのだ。

マルティン・ルター

『キリスト者の自由』をぱらぱら読む。儀礼によらず、信仰のみ、あればよい。なんだか、まるで、デカルトみたい。我思う故に我あり。神というのは、私見によれば、ひとつしかない人の体が、社会を意識する手段だと思うのだ。「私」と「社会」を総合すると、…

ある種の精神病へ注がれる視線

ある行為を、「病的な」頻度で反復することを、病とみなす視線には、過剰な儀礼を忌避して信仰を尊重するプロテスタント的な感性がひそんではいないか。日常生活に支障を来す、という場合の、日常生活の内容を、医者や社会が一方的に決定して、いいのか。だ…

文字は残る

yuka ふーん。受講生集まるのかしら。 そういえばマイミクがこやのさんに懸想されて(?)彼の小説に登場してるらしい。 2009.01.25 01:45 rhinoball どうでしょうねえ。俺の場合指導教官が登場してましたが、懸想って! すごいなあ。 2009.01.25 01:51 stjo…

スティーヴン・セガール『弾突 DANTOTSU』

失意の男が暗殺者にスカウトされて、その運命を受け入れるまで。どういうやつなら、殺していいのか。そういう逡巡を、セガールが演じる趣向(けっこう長くて、ややこしい)で、セガール映画にすら現代の波が押しよせているのか。結局はドンパチやって、バカ…

ウィリアム・フリードキン『BUG/バグ』

コッポラが『コッポラの胡蝶の夢』を撮り、リンチが『インランド・エンパイア』を撮り、今度はフリードキンが「まとめに入った」のか...かなりいい。コワい。不幸な人が、運悪くして気違いに出会い、触発され、みずからも発狂する話。人間がキワキワのところ…