2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『アイアンマン2』

なんだこれ、ガンキャノンか。こっちは、ヒートロッドが2本になったグフか。赤いヒーロー機の周囲にモノトーンの量産機がわらわら蝟集してくるのは、こりゃ『夏エヴァ』ですか。悟りを開く(新元素のCGが曼荼羅みたい)と健康法が得られるとか、な〜んか中…

『HANA-BI』

病院や銀行、バーそしてやくざの事務所に飾られる、たけしの絵は、「これは映画に過ぎない」というわかりやすいサインだ。これも10年ぶりくらいに再見したが、いい。泣いた。テーマ曲、『シンドラーのリスト』に似ているなあ。ソ#ラレ、ファレ、ファレソラ。…

『告白』

映画『告白』途中まで、幼い女の子に手をかけるような卑劣な殺人者にも、酌むべき内面があった、みたいな話の流れなので、いやだなあと思いつつ眺めていたが、それは引っかけで、他人の命を軽んずるやつは、そいつの命ではなく(自分の命も軽んじているから…

『OUTRAGE』におののいた白人たち

カンヌで(関連の報道で?)やけに低い点だったのは、黒人をからかった箇所があったからだろう。「下手に褒めて、後で祟ったらどうしよう」と、皆が思って及び腰になったのだろう。そういう配慮をした時点で、映画のなかのやくざたちと同じ位相に立つことに…

ヤクザ賛美映画なんてあるのかなあ…。

あんまりヤクザ映画みないし、けっこうあるのかもしれないけれど、健さんや実録ものとかは「賛美」とは違うんじゃないかしら。『OUTRAGE』が暴力団への嫌悪を込めているというのも、違うと思う。もし北野武がヤクザを嫌っているとしたら、同じ程度にはサラリ…

いわゆる時代劇ヒーローものを、テレビでしか作らないと東映の首脳が1960年代に決めたことは、日活がロマンポルノ一本にしぼると決めたことと同じくらい大きな影響があった

その判断が、映画の斜陽化に、さらに拍車をかけたわけだ。やくざ映画は、それで作られるようになった。清水の次郎長がやくざ映画なのだといわれても、現代人にはピンと来ない。当時の東映も日活も、正しい認識を示したのだろうが、それが自らの成長を助ける…

にしても…

…を怒らせる, 憤慨させる;…を侮辱する http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=outrage&dtype=1&dname=1na&stype=0&pagenum=1&index=05092600 みんな辞書ぐらい引けよ…。

「ずっこける」

『Dolls』の菅野美穂は、うたたねした西島秀俊の足をサーフボードにこっそりと結びつけ、それを教えぬまま西島を起こし、走らせ、転ばせる。『OUTRAGE』の椎名桔平殺害シーンは、これの変奏なのだ。しかし『Dolls』は、劇場で見て以来、久しぶりに見直したが…

『アウトレイジ』

「破門しといてなに遊びにきてんだこの野郎」というツッコミは、まったく論理的だったので大笑いである。あとはどこにでもベンツのオープンカーで駆けつける女。わざとダサく仕上げてみましたという雰囲気を感じる。世界が広がっていかない。パズルなので、…

愛のいろいろ

西舘好子(当時)の愛は、本人はどう思っているか知らないが、「同志愛」なのだ。綿々とつづられる文章からは不思議なほどにエロスが香らない。井上ひさしは、贖罪意識にかられた実母から崇拝されて、実母から自立する機会を奪われて、その感情を妻にも注げ…

ラブホテル

日本にラブホテルがあるのは、いい歳をして親元に住んでいる青年が多いからに過ぎません。http://d.hatena.ne.jp/jmiyaza/20100619/1276883637#c1276914595 家の壁が薄くて音を聞かれるからという意味では、なにも青年に限らないのではないかと。子供に聞か…

『幽霊を捕まえようとした科学者たち (文春文庫)』

幽霊を捕まえようとした科学者たち (文春文庫)作者: デボラブラム,Deborah Blum,鈴木恵出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/02/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 41回この商品を含むブログ (15件) を見る幽霊や宇宙人はおろかUFOすら見ることなく30を…

ファックと暴力と夢の誠実な混交

スラヴォイ・ジジェクが「カサブランカ」を例にとって、劇映画においてファックシーンは露骨には表現されずに仄めかされるにとどまる事情について語ったことがあったが、ジジェクはこの作品を見ていなかったのだろうか。スーツ姿とファックシーンという、認…

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」とそのほかの映画

「オール・ザット・ジャズ」などは、レオーネは、頷きながら見たのではないかと思うのだが…。自分のめざす方向が普遍的であることを確認したであろう。産院で子供をすりかえるあたりの演出は「時計仕掛けのオレンジ」か。

「日本人は日記が好きだ」は「日本人は外人にくらべてより強く日記を好む」を意味するか

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20100618 また、日本の「日記」が指す対象は、西洋のそれ(ジャーナルなりダイアリーなり)よりは広い気がする。備忘録や出費記録みたいなのも、日本人は「日記」と呼ぶ。日本において西洋の日記に対応するのは、あるいは…

「外人」差別語論は「合州国」式の誤謬ではないか

単に「外の人」ってだけのことだろうにねえ。いつごろから「外人=人ではない」なんてことになったんだろうか。それには「人外」という表現がちゃんとある。あるいは、それこそ本当の差別語だけれど「非人」とか。

なぜ「ホビー」が「趣味」なのか

「私的に打ち込んでいること」あるいは「娯楽」が、なんで「気分」のことになるのか、これは子供の頃から不思議に思っていた。議論を打ち切るのに、「趣味の問題」という表現が持ち出されることがあって、これも何だろうと思うのだ。議論が枝葉末節におよん…

『修羅の棲む家』

図書館から借りる。順番待ちしていたことも忘れていた。売れだしたロック歌手などが売れない頃の「糟糠の妻」と縁を切るというのは聞く話で(しかしこれもどこまで実際のとおりなのか調べてないのだから本当かどうかわかったものではない)、そしてそういう…

有名人になる覚悟があるのなら「ドブスを守る会」もいい

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100619#p2 法律でこういうことをするやつのプライバシー、身元を晒していいとする法律を日本国がつくればいいのではないか。サブカル言論人として生活の糧を得るためにそういうことをするのなら、ひどいやつだなとは思うが…

俺の行く先々で

みんながタバコを吸っている。吸わないのは俺と某さんだけだよなあ。

『音の城 音の海』

発達障害の子供たちに楽器をあたえ、演奏を通じて子供たちの情操をはぐくむことを目指した取り組みを追いかけたドキュメンタリー。即興演奏に長けた音楽家たちが、子供たちの指導者である大学院生をサポートする。彼らの顔合わせの席で、どこまで子供たちを…

本は閲覧するものであって複写するものにあらず

内容とは別に、本は買って所有するものでもある。全部複写に拘るのってどういう心理なのだろう。複写が必要なところの目星をつけるくらいの時間を閲覧のために裂けば、そもそも問題は存在しないと思うのだが。

岸田秀そのほか

http://d.hatena.ne.jp/jmiyaza/20100612/1276279034 岸田秀はのちに黒船幻想を敷衍して白村江の戦いが日本のトラウマになったとまで言っている。白人は他人種へのコンプレックスから、現在のように自分の基準を他人におしつけるような性格になったのだとも…

原と源

原理は原であって源とは書かない。大衆の原像も源ではない。種の起源だと、存在するはずのない流れをその「みなもと」にむかってたずねていく感じ。オリジンとソース。

大衆とそれ以前のものとのあいだ

リリイ・シュシュのすべて 通常版 [DVD]出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 2002/06/28メディア: DVD購入: 3人 クリック: 227回この商品を含むブログ (380件) を見るそういえば、高校生って大衆以前の存在なんだなあ。だってこいつら、「専…

Authorのゲーム、あるいは、専門家は専門についてだけ語っていればよい

専門家って、オーソリティにはなれるけれど、「著者」にはなれないんだよなあ。「何を知っているというのだ 言葉を知っているのか 事実を知っているのか 人を知っているというのか」だな。「世界」とは、宗教が生き生きしていた頃の言葉で、それがたまたま生…

濫觴の乱用?

筒井康隆が「漂流」の同時代ゲームの項で濫觴という言葉を小説の冒頭の意味として使っている。間違いじゃない?小林秀雄のことなんて気にするなと筒井にいってあげたいが、無理だろうな。

「ウソをつくな」の周辺

たとえば家庭では「ウソをついちゃいけない」と教えているお父さんは、会社ではウソ=ハッタリをきかせて商品を売っている。http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20100520 これは、要するに「お父さん」は「俺に逆らうな」と言っているに過ぎないわけで、…

自分のことを棚に上げずにモノを語らなければならないとみんながカリカリしている

でもね、そんなの、無理ですよ。

『ゾディアック(ディレクターズカット)』

トースキーらが上役にスピーカーホンごしにリー・アレンの逮捕を申請するシーンが付け足され、試写会場でトースキーに諭されたグレイスミスのシーンから暗転して4年の経過をあらわす黒バックに、当時の社会変化をあらわす音声のモンタージュがこれも付加され…