『アウトレイジ』

「破門しといてなに遊びにきてんだこの野郎」というツッコミは、まったく論理的だったので大笑いである。あとはどこにでもベンツのオープンカーで駆けつける女。

わざとダサく仕上げてみましたという雰囲気を感じる。世界が広がっていかない。パズルなので、本質的に閉じている。ラストのストップモーションなど、『その男、凶暴につき』を彷彿とさせる、いかにもわかりやすい自己模倣だ。加瀬亮と手下の字幕トークなど、観客は笑うべきかとまどっていた。監督は、自分のセンスが古くなってきたことも楽しみの対象に加えだしたのだ。