2010-06-03から1日間の記事一覧

『日本の夜と霧』

素晴らしい作品だなあ…。総括リンチ事件はもとより、オウム事件やスーパーフリーまでぜんぶこみで、集団病理についての考察はこの映画で尽くされてる。価値って何だろう。チームって何なんだろう。ある男がある国のリーダーであることを降りた日に見るのにう…

江戸幻想は東京五輪や万博以降の現代日本の肯定である

小谷野さんからは、そんなのわかりきったことじゃないかと言われそうだが、これはもっともっと囃したてていいのではないかと思うのだ。現代日本をインテリが肯定したら体制派だと思われて具合が悪いから、これを抑圧し、かわりにかれらは江戸をもちだしたの…

『宗教とは何か』

わりと私の耳に心地良さそうなことが書いてある雰囲気だったが、軽く眺めただけ。ドーキンスは「あまたいる無神論者がそれでも抱えている、”信仰を信じる気持ち”」ということを言っていて、これは私なりに言い換えれば「本気になっている人への遠慮」という…

政治のとらえがたさ

無理に一本化しようとすると「日本文化論」になってしまうわけだ。日本文化論というとなんだかもっともらしいが、やっていることは「日本性格論」だもんな。こう呼び方を変えたとたんアホっぽくなる。怒りっぽい人だからって、いつでも怒っているわけないじ…

フォニーなものからの逃避

そういえば、西部邁はサリンジャーを読んだことがあるのだろうか。サリンジャーはヒッピーの源流的なところがあるけれど、外見上はヒッピーと似てはいない(西部はヒッピーを嫌っていつつ、ジーパンなどぞろっと履いて、フーテン然としていた頃があったらし…