カール・セーガン

人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉 (新潮文庫)

人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉 (新潮文庫)

軽妙にトンデモを各個撃破する上巻より、科学自体の悪や蒙昧への警鐘を鳴らすウェットな下巻をとくに薦めたい。

孤独な青年期をすごした科学者マックスウェルの嘆き「汝歳月よ過ぎ去れ 少年を鞭打つことが/罪と思われる時代が早く来るように」に胸を打たれた。

定量的と定性的という概念はとても使える! いまの日本人の駄目さは、定量的なセンスの信じられないほどの欠如に起因するように思われる。「美しい国」…、そういえば、美しさは計れない概念だった。

(2009年追記。うまいことを言おうとする衒気が幼い)