死刑について考えていると・・・

・・・私たちもアメリカ人を笑えないというか、要するにどっちを普遍にするかの話なのだ。死刑か無期かというのは。
死というのは人類最大の難問で、人が死んだ後に生き返らすことができれば、死刑にまつわる問題はなくなる。誤審していたら生き返らせればいいのだから。
つまり、罪とはなにか、罰とはなにか、という話になるわけで、これらは人生の一回性という認識を、社会が儀式、行為として実装しているわけだ。
こう考えてくると、死刑どころか、懲罰そのものが理不尽なのだという、原始的な認識に先祖がえりしてしまう。
人間と人間のあいだをつなぐ形而上的な認識の否定、宗教発生以前の人間観。
もういちど、思想というのは宗教が基盤となっているのだということを振り返ったほうがいいのではないかと思うのだ。