999裁判

シンガー・ソングライター槇原敬之(39)が漫画家・松本零士(70)から「銀河鉄道999」のセリフを歌詞に無断使用したと非難され、名誉を傷つけられたとして、2200万円の賠償などを求めた訴訟の判決公判が26日、東京地裁であり、清水節裁判長は松本に賠償金220万円の支払いを求める判決を下した。同時に求めた「著作権侵害ではないことの確認」については棄却されたhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081226-00000234-sph-ent


まあ妥当な判決だろう。賠償額は訴えの十分の一というわけだが、これはちょっと高いような気がする。百万円くらいが適当だったのではないか。

要するに松本側の動き方がまずかったのだ(裁判長は「「著作権侵害ではないことの確認」については棄却」していて、この判断もまた妥当)。裁判にしないで、ウェブサイトやミニコミで愚痴をのべるにとどめていれば注目はされなかった。

松本も槇原もともに、過去にピークをむかえていた人だったために、マスコミによって、こういう残酷な注目のされかたを用意されてしまったわけだ。

池田信夫先生が、この件でまた妙な主張をしている。この裁判が珍妙だったのは、松本が権利を主張した文言が、通常は「願望」あるいは「努力」とするべきところを「夢」におきかえたという、だれでも考えつきそうなものだったからという点につきるのに(「夢も時間を裏切ってはならない」というのは松本らしい感性だと思うが)。日本人の著作権の受け止め方には、池田先生には残念ながら、この裁判は、一ミリも罅をいれることはできなかったのである。

池田先生のいう宮沢賢治うんぬんは、槇原も口にしていたが、かえって反論としては不適切なのである(類似アイデアに有名なものがないために、宮沢オリジナルであるかのように一般の日本人には感じられるため)。