『ドクター・ノオ』

宵闇にまぎれてジャマイカ人の暗殺グループがボンドを狙うが、通りがかった車のヘッドライトに遮られて、暗殺を諦めるシーンがある。

ボンドが状況を与り知らぬままに始まって終わるシーンというのは珍しい。この後こういうシーンは発想されなくなっていったのだろう。新しい『カジノ・ロワイヤル』までは、このシリーズには回想シーンもなかったと思う。

ジャンプカットが頻出するのも珍しい。すぐに気づくのは、冒頭四分半頃にストラングウェーズの秘書が殺されるシーンや、二十四分半ころのストラングウェーズ邸でのボンドの捜査シーン(写真のスタンドをもった同ポジのままショットが変わる)。