集団幻覚について

稲生平太郎著『何かが空を飛んでいる』はかなり前に読んだ。おおむね納得できる論旨だったが、一点、集団幻覚をすげなく否定していたことがひっかかった。集団幻覚なんて、ふつうにあると思うのだが。

なんと昨日、職場の同僚が、この「集団幻覚の可能性を否定する人」だったことがわかって、驚いた。詳しく話を聞くと、つまり、なんで別々の脳が同じ幻を見るのだ? ということらしい。稲生氏の理由も同じものなのかなあ。

しかし、そんなの、個別に見た(それぞれ微妙に違う)幻に、同じ名辞があてられているだけということなのではないだろうか。当人が正確に何を見たのかなんて、他人には永遠にわかるはずもない。