『かけひきは、恋のはじまり』

雰囲気がいい。戦争でのまぬけな「手柄話」が、本国では勇ましい英雄譚につくりかえられてスターにまつりあげられる男がでてきて、これは『父親たちの星条旗』をちょっと連想させる。

でもこの物語(1925年)のあとにさらに大恐慌がやってくるんだよね…。アメリカ映画でむかしよくつくられたこの手の社会派も、ずいぶんファンタジックになってしまったなあと思う。ジョージ・クルーニーだからということもあるのだろうけれど。これで監督3作目かな、1970年代のテレビ司会者の話、1950年代のテレビ司会者の話、1925年のメディアスターの話。テーマは一貫したものを感じないでもないが作風がバラバラ。今作はコーエン兄弟調なのかな。