俗情と結託する口唇

そういえば映画で男が女を押し倒す時って、だいたい女の乳房を揉むあたりでシーンが切れる。乳房や尻をべろべろ舐める男は、悪役の記号だ。主人公は舌使いを禁じられているのだ(乳首へのキスぐらいはしている)。舌をからませるキスは不倫の記号。ピンクを除く日本の劇映画では、クンニの表現はなかったような…『白蛇抄』で見たかな? 『花と蛇』とか『人が人を愛することのどうしようもなさ』とかは、全体がすごくてディティールをおぼえてないや…。

 あまり見ないのは、女が男の乳首を含むシーン。あったら情緒があっていいような気がするのだが。

(追記)『TANKA』(お、原作は『トリアングル』だ)では、主人公が愛人からクンニをうけながらツルゲーネフの文庫本を読むプレイに興じるシーンからはじまる。しかし、これも舐める男は画面からオフされてる。