引用とあてこすり

日本人論である。本歌取りの国の住人である日本人は文字通りの意味での引用を気障として避ける傾向がある。それでも引用を口にする場合はたいていはものまね、あるいはあてこすりとして声色まで真似てしまう。言葉から本質を抽出する作業が、きっと怖いのだろう。本当に引用してしまうのは、すぐに思いつくのは押井守くらいである。この人は本当に「引用」する。