『桃色のジャンヌ・ダルク』

ビンラディンもえらいもんに影響を与えたなあ…。国会議事堂前で増山麗奈を制止する警官が、言葉とはうらはらにすごくうれしそうに顔をほころばせているのが面白かった。


あまり調べずに映画館にいったら、けっこう政治っぽかった。自衛隊に調査されたり、原発の警備員?に写真を撮られて怒っているのが興味深い(俺は個人的にはそういうのはどうでもいい)。業務中の公務員って肖像権がないってほんとかしら。


本当の政治家のやってることも結局パフォーマンスだし、これはこれでいいのではないかと思った。母乳をしぼるのも政治だと思う。それにひきかえ、男は、どうも、かっこわるいな…。増山麗奈がエクスタシーに達する瞬間から見物人を排除したスクエアな批評家(みせてやりゃあいいじゃねえか)や、雑誌の編集部にいた編集長や評論家が冴えないのが印象に残った。イラク人のアーチストのおっさん達はみんな物語を背負っていてかっこよかった。


なにをいってもそれを信じていない感じが顔に出てしまっているのだ。本当に信じるものを見つけるまでは、男はカメラの前に立つべきではないだろう。ゼロ次元とやらのじーさんや、川田龍平はなかなかかっこよかった。自分を信じているからだ。


再現ドラマの在日韓国人の挿話がちょっと気になった。まるで絵に描いたよう。いくらなんでももうすこし型からはみだした話題もあったのではなかろうか。