『ドリーマーズ』

こういうの困るわ〜。いやぁ、参った。

要するに、学生運動がガキの欲求不満のはけ口でしかないことは、もちろんわかっていて、でもしかし、それを裁いたりしないのだ。この映画はそこが新しい。「ま、楽しいことにかわりはないし」と、監督はニヤニヤしているわけだ。

私にとっての偉大な作品である『ラストタンゴ・イン・パリ』の作家が、それから30年もたってこういう映画を撮ってしまう、というのが、困る…。映像もなんだか軽いし…。

『1900年』を私は見ていないのだが、『ラストエンペラー』を思い返すかぎりでは、ベルトルッチにとって政治はロマンの対象以上のものではないようだ。『ドリーマーズ』における政治のあつかいも、映像と同じく、なんだか軽い。