『SHAME』
生活に不自由していないビジネスマンの男が、心に空虚を抱えていて、ポルノやいきずりの関係や、
買春、自慰などで孤独を紛らわしている。誰とも深くつきあわないことで、かえって男は
自分の孤独を自覚することから逃げていられたのだが、遠くでくらしていた妹が自分の部屋に
転がり込んできたことで、状況が変わっていく。
ある種の不幸な境遇を、適切に表現することを目指した作品なので、
整理が行き届きすぎな感じがある所もあるが、よく作っている。役者は力演していた。
『リービング・ラスベガス』とはまた別種のナルシシズムを表現して、また、
『アメリカン・サイコ』の主人公が能弁を奪われたら、あるいはこんな感じになるだろうか
と思いながら見た。