2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

上野顕太郎『さよならもいわずに』

正直、鬱の人の気持ちはわからない。そういう私にも、それがどういうものかが想像できるような気にさせてくれた。すごい。胸をかきむしられるようだ。人間てわからない。生き死にもわからない。生きてる間、表現するしかない。私は、読みました。コミックビ…

平手打ちは「張る」

「叩く(はたく)」もある。「殴る」というのは、少なくとも私の周囲では聞かない。文章に書く時は「頬を張る」が無難な気がするが、「顔を張る」と言うこともある。「殴る」という誤用?は「叩く(たたく)」あたりからの連想から発生した?

戦国大名に公をつけるのは中国風?

小谷野さんの小林よしのりへの反論を読んだ。村役人が内裏のことを知っていても、村役人そのものがマイナーなもので、しかもちゃんと理解しているかも典拠からはおぼつかないという論旨。というか、ふつうに考えても、身分制社会の下のほうが、上の階層の詳…

根治療法概念としての精神分析

根治治療というのは感染症に対してしか成立しえないのではなかろうか。それ以外の病気には、時間の推移による変化がある(感染症にだってあるが)。宅八郎と小田晋、香山リカの対談を読んでいて、ふと思った。精神分析が効かないからまちがっているという論…

「役不足」について

「役」というのはもともとは武器をとって周囲を巡回することなのだそうだ。役不足をむりに開くと役足らず(やくたらず)になる。役が足りないのだから意味は誤解しようにない。ここで気になるのが「役立たず」という表現があることだ。役不立なんて表現はあ…

「フワフワ」の条理

「唐沢俊一検証ブログ」に書いたことのつづき。もし当人が草の根でなにかについて活動していて、その後メジャーな著述家が同じことをして、そのなにかの知名度が上がったら、当人が「ふつうのひと」だったら、喜ぶわけだ。AEの中の人の「一般人には右翼と思…

自意識をあつかう語り口

イカす!おたく天国作者: 宅八郎出版社/メーカー: 太田出版発売日: 1991/09メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る宅八郎『イカす!おたく天国』を読んだ。もしかしたら昔よんでいたかもしれないが、記憶がはっきりしない。もっと…

心の不思議/自己からの逃走

印象や感覚そのものは自己では制御しきれない。それをどう管理するかを問われるのが自己というわけだろう。『イカす!おたく天国』で宅が香山リカと対談しているのを読んで、そんなことを思った。イデオロギーにたいするアレルギー反応としての1972年か…

仕事として…

『イカす!おたく天国』で宅八郎は小田晋と対談して、おたくの定義について意見を交わしている。小田は、おたくを精神病理のひとつとしてとらえようとしていて、宅の、マニアにいいかえうるような概念の広さに苦言を呈している。対して宅は、実際に相手をお…

活字人間

さすがに他人の書いた癖のある文字をよむのがツラい、というのが活字人間。活字人間は軟弱なのだ。活字が活字でしかないことを知っているのが活字人間の基本。活字がどういうふうに生産され流通しているかをふまえれば、活字にたいして鷹揚になれる。

メジャーとマイナー

あまりメジャーだのマイナーだの最近はいわなくなったのだろうか。80年代から90年代にかけては言っていたような気がするのだ。これは、ふりかえってみれば経済に余裕があったからマイナーでもいきいきしていられたということなのだろうか。当時本人たち…

十二歳どころか

二十一歳年下ではないですか(アマゾンで売ってる)。それにしても精神を病んでいるという文句が好きですね。

ガロ

職場の物置に90年代のバックナンバーが十冊ほどあったので眺める。

学問

問いをまねぶ、か…。なるほどな、なぜなぜってうざいくらいが学問の本道なのか。

リメイク版サブウェイ・パニック

なりゆきではした金の贈賄をうけるようなせこい勤め人が、一発逆転をねらった賭けに敗れた男の介錯をつとめる話。なかなかシビアな話だと思う。秀作。

二人称としての一人称

けんかごしの会話につかう二人称。なにも「自分」ばかりではない。私(これはちと苦しい)だって、ワレだって、もちろん「てまえ(手前)」も、二人称にはつかえるのである。

よみがえる記憶

ああ! 北見市の事件って、「ニコロ事件」じゃないか!! 子供の頃雑誌かなにかで読んでいた。「ニコロ事件」の字面が怖かったなあ。

「抱腹絶倒」

絶倒がよくわからない。絶には「はなはだ、きわめて」という意味もあるそうで、「絶妙」を辞書は紹介していた(とってもヘン、という意味では、ないですぞ)。ということは、抱腹絶倒とは、腹を抱えて起き上がれないことでしかないわけだ。じゃあ、突然の腹…

山川惣治さまざまな晩年

『新・UFO入門』には山川の没年が記載されないから、1992年没というのは意外だった。「引退(唐沢俊一の表現)」してから、ずいぶん時間がたっての死去ということになる。レストランを開業していたこともあったらしい(http://artjapan.main.jp/blog/2008/04…

『新・UFO入門』の素材

http://moura.jp/liter/toukouran/032/ 渡辺和博追悼から、話はUFO実在論争へ(『新・UFO入門』193ページ参照) http://moura.jp/liter/toukouran/033/index.html 山川惣治がワイルド発刊でしくじった話(同書二刷140ページ) http://moura.jp/liter/toukour…

松岡正剛

情報は英語では「インテリジェンス」(intelligence)という言葉ににもなる。ここにはテルという言葉が入っています。何かを告げようとしているわけです。 (松岡正剛『17歳のための世界と日本の見方』春秋社 11ページ 太字は原文では傍点) 本当のintellige…

調査中

論題 30代「サブカルチャー世代」論 「オタク第二世代」の存在不安と習性 (特集 変種日本人?「30代」の研究) 著者 唐沢 俊一(カラサワ シュンイチ) 請求記号 Z7-521 雑誌名 望星 出版者・編者 東海教育研究所 巻号・年月日 31(6) (通号 361) [2000.6] ページ …

かなづかい

翌日の東京裁判の報道記事の見出しに、「被告も固ずをのむ」(傍点、引用者)といった、一見、何のことかわからない表記があらはれた。 (桶谷秀昭『昭和精神史戦後篇』文春文庫97ページ 太字は原文では傍点) この直前に「ゐる」という表現があるけれども、…

オタク史のアウトライン

もちろん戦争がなくなって徴兵が廃止されたことが大きいだろう。大人の定義について揺らぎがはじまったのだ。アニメそのものは戦前からあって、ちゃんと見られていて、しかしその地位が違っていた。童心の変遷と消失。「こどものために」。マンガの単行本化…

一日とか一年とか季節

明治の改暦についての本をぱらぱら読んでいるのだが、そういえば英語のDayは日のことで、そして昼のことだ。私は一日という言葉をつい「24時間」のことだと思ってしまう(間違いではないが)。日夜、というのだから、もちろん日は昼のことなのだ。一日の長さ…

幻の同居人

家のなかに見知らぬ何者かが侵入しているという、「幻の同居人」幻想。私はこの種の妄想はあまりなく、しかし子供のころは誘拐されたらどうしようと、度をこした心配にさいなまれていた。面白いのは、「幻の同居人」の妄想にとりつかれることで、妄想患者は…

明治 関川 子規

『坂の上の雲』は読んだことなく、『日露戦争物語』を読んだのをきっかけにおとといちらっとながめた。『日露』を読んだだけでも、のぼサン(子規)が不適切な俳句をつくる姿が彷彿とする。その子規の話を『坂の上の雲』をブリッジにして、関川夏央の話の直…

書評

あまり書評を読まないので、書評によせる唐沢俊一のこだわりは興味深い。書評を読むより、でかい本屋に行って棚の様子をじっくり見るとかのほうが、偏らない印象を自分のなかに形成できていいのではないかと思う。これ、たしか立花隆の受け売りだ。

思考力

http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/990301d.htm 学習指導要領。「そこらへんのビジネス本より役に立つ」。記憶力だけでなんとかなるわけはない。しかし記憶力だけでなんとかなると思いたいというのは、唐沢俊一のテーマではあるだろうなと思う。…

わたしが解決したい問題

いったん、唐沢俊一を本当に有名にしたいのだが…。つまり「なんか妙なことをいう人」というのは、テレビや雑誌では、その言うことの内容を吟味されずに、名前やルックスだけが視聴者読者の記憶に残るようになっている。その状態のままで言説の内容を検証して…