ランズマンの言い分

シンドラーのリスト」を「ショア」の監督が批判している。600万人が殺された歴史的事件の末節に、数百人を助けたドイツ人の事例があったからといって、そんなケースをホロコースト本体と対置するような真似をするな、というわけ。これには一理あると感じざるを得ない。要するに、ホロコーストの被害者、被害者たちの子孫たち、そのどちらからも遠い観客たち、という三種類の人間がいて、わたしたちは三番目のカテゴリーに入る。ランズマンは最初のカテゴリーの人々のために映画をつくり、スピルバーグはわたしたちのために映画を作ったわけだ。映画作家は、事件の当事者と、傍観者ですらない現代人、どちらに歩み寄るべきなのか。