コスタ=ガブラス「背信の日々」

白人至上主義団体に潜入した女性FBI捜査官。しかし彼女は対象者を愛してしまう。

人狩りのシーンがなかなか衝撃的である。グループの中でわりと弱腰な男が主人公の捜査官にもらす弱音がおもしろい。

そりゃあ殺しは怖い、おれだって引き金をひくときは目をつぶる…。だが闘わなければ国をとられる。ユダヤ人の銀行家に、黒人の警官、東洋人。優しさは尊いことだ。しかし人間にはしなければならないことがある。おれは学んだんだ。おれの望みは、働いて、息子を育てることだけだった。しかしベトナムが息子を奪った…。そして銀行がおれの畑を奪った。…これは自分のわがままのためじゃないんだ、争いは嫌いなんだよ。(字幕:戸田奈津子を潤色して引用)