ミリキタニの猫

 良かった。それまで社会保障を拒否してホームレス生活で生き延びてきたミリキタニ氏が、アメリカ社会とほんのすこしだけ和解するのが感動的だ。アパート型の老人ホームに入居し、絵画教室の講師になり、太平洋戦争時の日系アメリカ人収容所の跡地を訪れて、過去のわだかまりを氏なりに解消するのだ。