人はなにかをせずにはいられない

 へんな人を見た。

 ブックオフの廉価本コーナーに、わりと大量のビジネス書があって、そこにくたびれたスーツ姿の中年サラリーマン風がいて、熱心に本を出し入れしている。

 そう、出し入れしているのだ。読んでない。

 それも閉店の直前、真夜中近くに。

 むかし唐沢なをきの漫画で読んだ「缶コーヒーの空き缶を携帯にみたてて“会話”するサラリーマン」を思い出す。