地方政治

 知り合いの知り合い氏が地方選挙にうって出ようかという話になっていて、まだ具体的になにをするという話にもなっていないのに、もう地元の有力者から氏に使者が派遣されて、氏を思いとどまらせようとしているらしい。なんともはや、政治ってのは、選挙の前に始まって終わっているものだなあと、知り合いから話を聞いて面白いことだった。

 その「有力者」のもとから、誰がきて、つぎに誰がくるか、そして彼らが氏に何を言うか、そのいちいちが堂に入っていて、話を聞いていてわたしは感心してしまった。そのうち、黒田硫黄に地方選挙を題材にとったマンガがあったと思うが、それを思い出して、イメージがさらに広がったのである。

 その手回しのよさにびびった知り合いが、ポツリと、日本に民主主義ってないんだね、と述懐して、そのびびりようにちょっとわたしは可笑しかったが、いやいや、たしかにそのとおりであるとわたしも思う。