養老孟司「運のつき」

絶対平和主義について関連していそうなくだりがあった。

・・・自分の死は怖くない、より正確に言えばわからない、わからないものを怖がる道理はない。隣人友人親類恋人の死は悲しい、これを二人称の死という。そして、赤の他人の死は悲しくない。

特攻や自爆テロは、この一人称、二人称、三人称の死の感じ方の、ひとつの素直な表現である。だから「自然」で、やっかいなのだ云々。

隣人友人親類恋人の死は悲しい、だから特攻しよう、ではなく、彼らを殺そうとするものに抗議し、かつ自分が殺されることを怖がらない、これが絶対平和主義であり、無抵抗主義ということになるのだろうか。