このまま第三次産業ばかり肥大して…

このまま第三次産業ばかり肥大して、日本経済は成り立っていくのだろうか、という疑問がある。私自身がここに所属し、日々の業務に従事しているのだから、成り立つのかという「不安」などと言ったら偽善になる。だから「疑問」であるのだが、さて、である。

私自身が映像業界の末端で口に糊している関係から日々実感していることを言うならば、素人が通になって、もう10数年が経ってしまったということだ。素人が通ぶっているだけなのかもしれないが、私の感触は違う。素人がそのまま通なのだろうと思う。

商品として流通する映像が、視聴者の露骨な欲望を喚起しなくなってしまった気がする。端的に、下品ではない。活力がない。いま目の前に提示されている映像について何かを語る際には、あるていどの前提を踏まえておかなくてはいけないのだろうな、と身構えてしまうような映像ばかりなのだ。そういう前提というのは、要するに、通のものだ。

だから素で見たらつまらないし、視聴者に対する訴求力がない。数うちゃ当たる式にいろんなタレントを大量起用して、なお顧客離れを避けられなかったドコモの広告などがいい例だ(テレビを見ない生活を送っていてもこれくらいは言えるのである)。

素の視聴者を引っかけられない映像って、要するに、終わってる、ということではないか。

みんなが、世の中こんなものだろうというしたり顔で、コンビニ弁当ばかり食ってて、ほんとに大丈夫なのか、と思う。私も、「疑問」が「不安」に移行したら、四の五の言わずに農家にでもなるべきなのだろう。