地球は人間様のものである
『生物と無生物のあいだ』がレジ横に積んであったので、ふと買ってみたのだが、へえ、高橋源一郎や茂木健一郎や内田樹や森達也が推薦しているのね…。
しかしなんで生物と無生物とのあいだに線引きが必要なのかが私にはわからない。「生き物」という自然言語で呼んでいた対象を分析したら、対象は、日常生き物として想定しないようないろんな高分子の複合体だった。それだけのことになぜ驚く必要があるのか。ただただ黙々と生物についてわかっていなかったことを知って、知識を積み上げていけばいいだけのことではないか。それと、私は生物学者に生命の本質を定義してもらうなんて神がかったこともはなから期待してはいない。
科学に驚く心を持とうというのも、そろそろ陳腐化したスローガンではないか。すでに積み上げられた知識が膨大にあるのだ。素人にだって、驚いている暇はないはずだ。