エンターテインメントの終焉

それは、まあ、昭和とともに終わっていたのだという気もする。平成のこの20年間は、個人の発見ということに人々がのめりこんでいたのだと思う。エンタメは、ビデオというかたちで、マンガ本というかたちで、文庫本というかたちで、携帯ゲーム機というかたちで、辛くも生き残っていたのだろう。

だって、ほら、ここ10年くらい、「それほんとに面白いの? って訊くの禁止」という不問律があったような気がしません? 私はしてたけどな…。

そういう時代にはいったんだよ、私たちは。芸能人がちっともうらやましくない時代に。

ハイビジョンで肌の汚さが視聴者に克明に伝わってしまう時代に、お笑い芸人をやることは、罰ゲームにしか思えないもの。

じゃあこれからはなにを楽しめばいいの? 私は、人間なんじゃないかと思う。ほら、介護の時代がすぐそこまで来て、というか、もうはじまっているじゃない…。

そういえばこの20年間、人が人であることが最大のタブーだったものな。反動が、来るぞ…。