マンガ『鈴木先生』、アダルトビデオのない世界。
- 作者: 武富健治
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2006/08/11
- メディア: コミック
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友人の大プッシュを受けて読み出したのだが、重いね…。
舞台は中学校。過剰な性欲をもてあまし、そのことを生徒たちに見透かされてもいた体育教師(この人は脇役)が、みんなの前ではやしたてられた末に情動失禁をきたし、非行に走って依願退職する、…という流れがあって、ちょっと慄然とした。リアルすぎる。
男性教師がアダルトビデオを見ないようにしている(べつに作中で表明されているわけではないが、そうなっている様子である)のは、とてもよくわかるのである。風俗なんか論外であろう。そして、だからこそ私なんかは、教師が普通の職業なんかじゃない、というふうに連想していくのだが…。
私の世代は、高校の頃にはすでにアダルトビデオ文化は爛熟していたから、恋愛とセックスを截然と切り離すことになんのとまどいもなかったが(少なくとも個人的には確実に無かったのである)、ほら、中学生はAV借りれないのである。ネットにふける時間もそうはないであろう(不登校のひとは潤沢にあるが…)。
中学生とその教師たちのセックスをめぐる状況は、必然的に生っぽくなっていってしまうのである。作者、金脈を見つけたんじゃないのか…。
私は、心理なんてウザイなと思うほうだが(だから恋愛に興味が、ない…)、作者はどしどしと心理描写を描き進めていて、これはたしかに引き込まれるのである(この時点で2巻まで読了)。