マンガの命は幼稚さにある

幼稚でなくなったらマンガとしてはつまらないものになる。老成したマンガを描いていた大友克洋が克己して活劇マンガを描いて売れたのも、要するに『AKIRA』のほうが『さよならにっぽん』などより幼稚だからであって、そりゃあ前者より後者の方を好きといっていたほうが知的で無難なのである。

大友が面白いのは、大人と子どもが描けるけど動物にまったく興味がないようなのだ。漫画家としては引退状態でアニメ作家、映像作家をしているのは理にかなっているというか…。

宮崎駿もわりと人間と動物に一線を画すほうで、人獣混交型のキャラは『紅の豚』のポルコ・ロッソくらいしか思いつかない。そのポルコも別に豚のように食事にがっつくとかはしない(『カリ城』のルパン程にも…)。

地底国の怪人』から『火の鳥太陽編』まで、人獣混交にこだわり続けた手塚のほうが珍しいのだ…。