それでも何とかひねり出してみる

なのに白土三平は、革命が起こるような世界を描こうとしている。http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20081124

これはなんとなくわかりますね。私も『カムイ伝』は途中まで(抜け忍が廻船問屋と出会うところまで)読んで、べつにつまらなかったわけではないがふっつりと読まなくなってしまった。磔になる人間が、どのように刑場まで引かれ、どういう風に殺され、どういうふうに下人に下げられるのかが描いてあって、勉強になったと思いましたが。

私のことばで言うと、波乱万丈であればあるほど、実際の歴史との齟齬が気になって、白けてしまう、ということでしょうか。「革命が起こるような世界を描こうとしている」というのが、そういう意味だったのなら「わかります」ね。

小学生の頃、学習マンガで読んだ、大塩平八郎の伝記なんか、とても面白かったもの。

カムイ伝』を読むのを中断する直前あたりにでてきた商人は、金でなんでも解決するのが小気味よくて、最近もホリエモンの評価が低かったりして(個人的には嫌いではないんだが、世間の風潮に抗ってまで擁護する気もない)、やはり日本人はいまでも封建的なんですよ。呉先生は安心していい。

なんだかまだ読まぬ『カムイ伝』の続きが気になってきたな。やはりゆくゆくは商人も敵に回し、「労働価値説」の夢に向かって下人たちが進んでゆくのかな…。(そういえば昨日阿佐ヶ谷で『日本侠客伝 昇り龍』を見てきたばかりなのです)