ほんとうに人間の本能は壊れているのか?

なんだかわからなくなってきたのである。

人類は各地に同時発生的に出現したのではなく、アフリカで発祥したものが、各地へ旅して諸人種に分化した、ということになっている。

黒人のコミューンに仲間割れが発生して、一部のグループが出て行って(それを残りの黒人たちが「さよ〜なら〜」と見送って)、数十万年で白人や黄人へと変貌して、相互に攻め込みあってるイメージを想像してしまう。

なぜ原始人は定住をしないで(そりゃまあ一世代、二世代のあいだ、その地点に留まったということはあっただろう)、地球全体にいきわたるまでに移動し続けたのだろう。そしてなぜ、現代人は定住をして、移動をしなくなったのだろう。それが「いきわたった」ということだよ、と言われてしまえば、そうなのだが。

類人猿たちは、だいたい集落をつくって定住をしているようだが、なぜ遠征してなわばりを広げたりしないんだろう。

いくら原始人だって、長く生きてればそのうち死ぬことや、セックスしたら妊娠することくらい知っていただろう。出産で母子ともに死ぬ危険は、現代とは比べ物にならないくらい高かった。セックスの「有効性」を出産回数ではかるのならば、原始人のセックスは、いくらやってもやりすぎということはなかったのではないか。

ごく最近まで「貧乏人の子沢山」で、貧乏人の生活は原始人に近かった。中学生の頃、平安時代の下層民は、なおも竪穴式住居にすんでいたと教えられて、びっくりしたものである。おおむかしから「日本昔ばなし」の農民たちのように、掘立柱の家屋に住まっていたと思い込んでいたのだ。

原始人には、広大な土地があったが、歴史時代の人間には、もう「土地はなかった」。さらに移動することができない状態で、繁栄するために、嘘をつきはじめたのではないだろうか。その嘘というのが階級ということなのではないか。

まだアフリカなどに残っている未開部族なども、白人の近代文明を駆使していないだけであって、移動と採集だけの生活に甘んじていない時点で、原始人と同じものではないのではないだろうか。

話はいきなり飛ぶようだが、変態というのは、出産しないことにたいする「魔術的思考」であるにすぎないのではないだろうか、と思うのである。

いやなことをあえてして、その根拠を後付して悦に入る、というのが変態のすることだと思うのだが、それは要するに魔術的思考だよな、とおもうのである。

いちいち金を払ってAV借りて射精していたかつての自分がアホみたいだ…。