タイムマシン

先週阿佐ヶ谷で『日本侠客伝昇り龍』をみて、昨日浅草で『暴れん坊森の石松』をみて、どちらにも鶴田浩二が出ていて、後者の方が前者より十歳若いので、べつに驚かなくてもいいのだが驚いてしまうのである。

ウェルズが『タイムマシン』を映画黎明期に書いたのは不思議な気がするが、しかし、写真がそのころすでに登場して五十年をへた技術なのだった。目の前の初老の男の幼児期を同時に見ることができる。そういう経験が、時間を獲得するための方法を小説家に夢想させたのだろう。

うがった見方かもしれないが、平和こそがタイムマシンなのではないかと思うのだ…。