タケノコ生活の経済学

私くらいの収入しかない文科系の男女の多くは、ブックオフでいらない本を売って、べつの本を買うという生活をしているのだろうが、それって客観的にはどういう状況なのだろうか、ということに興味があるのである。題して、タケノコ生活の経済学、である。

とりあえず期間は、この20年としておこう。範囲は日本国内。

そうすると、出版業が縮小をはじめた期間にまるまる相当する。少子化がはじまったのもだいたいその頃からだ(これは平成思潮史の一環になりそうだ…)。

つい忘れてしまうのだが、不条理漫画ブームって、昭和のことなのだ。ぎりぎり昭和のはなしなのである。平成に入ってあたらしくはじまったことって、何があるのだろう。ネットくらいではないか。これだって昭和の頃からパソコン通信はあったわけで…。

こういうことを考えるようになったのも、来年からは本を買うことをやめて、呉せんせいのように図書館ですまそうかと思うようになったからだ。もともと狭いアパート暮らしで、本を所有することに矛盾を感じていたのだ。

ようするに「今」ということに疑いを抱くに至ったわけです。期間限定! とか、数量限定! とかいわれても、「そんなの、なんだってそうだろ…」としか、もう思えなくなっている自分を発見してしまったわけです。