『ソイレント・グリーン』
主人公のヘストンが、悪を告発する動機が興味深い。すでに起ったことの悪を告発するのではなく、この悪を認めると、さらなる悪を招来するから、それを防ぐために告発する、というのだ。
「ソイレント・グリーン」を認めると、「ソイレント・グリーン」用の材料を栽培することになる。このことは人間の尊厳を傷つけることになるぞ、とヘストンは訴えるのだ。食べるために生きていたかつての人間たちは、2022年には生きるために生きている存在に成り下がってしまった(階段に寝泊まりする人々を見よ)。そして、今度は食べられるために生きる存在に…。ずいぶん先をみているヒーローだな、と思うのだ。日本のヒーローは、そこまで先を読んだりはしない。さすが西洋人、と思うのである。
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