『絶対の愛』
文章には「文体」があるのに、なぜ心には体がないのだろう?
エンディングの道行く群衆は、なんだか意味深。わたしたち観客もまた、群衆なのだ。群衆の視線が、画面のセックスシーンに釘付けになる。あるいは、ならない。私的な写真は怖い。写真のなかのツーショットのふたりは、私たちにとっては「群衆」と「固有のカップル」の境界にある存在。
「相手」の心をためしたら、相手は消失して、群衆のひとりに変身する。群衆の心をためす馬鹿はいない。心などないから群衆なのに。
英語題がタイムでつまり時間。エンドクレジットの音楽に心音がかぶさる。時間が円環するのだ。
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