『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]

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 面白い、とは思った。前半の背景説明はもっと長くてもいい。もともと共産党にあった暴力革命論を共産党が否定し、そういう共産党から学生たちの信頼が離れ、内ゲバの時代にはいっていく感じがもっと欲しかった。

 終盤画面にかぶさる遠山美枝子のデモ姿に泣いた。学生運動がカジュアルなものでは、なぜいけなかったんだろう。これで、よかったではないか。なぜヌルいのがいけないのか。

 森たちは、うすうす自分たちが無力であったことを、無意識裡に悟っていたのではないか。満たされない人間が、達成感をもとめて自傷行為に走ることがあるが、総括リンチは、これの集団版だったのではないか。

 殺す殺すと叫んでいたら、引くに引けなくなってしまった。そういうことでしかないんだと思う。やはり、言葉は恐ろしい。言葉は現実を変化させて、人を違う次元に連れ出す力をもっているのだ。

 総括せよ、というのは、要するに自我を捨てろということでしかなかったんだなあ。