新憲法草案

日本国憲法
前文:国家は必要悪であることを強調する。必要悪であるからこそ権力への監視が欠かせないこと、監視する者をも監視しなければならないこと。
第一章「言語と現実の乖離」
人間の歴史は合理性(言語)と不合理(実存)との葛藤である。ゆえにこの憲法もまた永遠に不完全であることをまぬがれないことを確認する。
第二章「生物としての人間の宿命」
国は人生は不可抗力に翻弄される現実に向き合うこと。人はかならず死ぬ。この事実を国は国民から隠してはならない。この諦念を、新憲法は、旧憲法天皇と差し替える。(この事によって、新憲法を頂いた日本はソフト仏教国家となる)
第三章「国民の権利と義務」
国による基本的人権の制限は慎重にこれを行う。
公共の福祉という概念は不断に議論されなければならない。
国民は年齢で差別されることがありうることを再確認する。
ありうべき生活の質について、国民はつねに議論を交わし、考えを更新する義務を負う。
宗教団体は国から特権を受けてはならない。
国は学問を規制してはならない。
国民は就職の権利を有し、勤労の義務を負う。
企業が被雇用者の団結を阻むことを国は禁止しなければならない。
財産権は公共の福祉の範囲内で制限される。
納税は国民の義務である。
現行犯逮捕のみ令状は不要である。
不当な国民の拘禁は許されない。
死刑と体罰刑は廃止する。同時に殺人を犯せない社会作り(監視社会化)も推進する。
刑事事件の裁判は基本的に公開とする。
証言は基本的に弱い効力のみをもちうる。
第四章「国会」
国会以外の場所で法律を決めてはならない。
国会議員は歳費の使途を明確にする義務を負う。
国会議員は行政の実際について調べ、質し、議論することができる。
行政の長たる国務大臣が国会議員でなかった場合は、議院に出席でき、発言も許される。
第五章「内閣」
内閣は国の政務をおこなう。
内閣の首長は国会議員が議決によって指名する。
国務大臣はすべて国会議員から選ばれる。
第六章「司法」
裁判は通常下級裁判所からはじめられる。最高裁判所より上の審級はない。行政機関が裁判を行うこともない。
裁判官の判断や論理は、ひろく一般の議論に付されることが推奨される。
第七章「財政」
日本国憲法に準ずる)
第八章「地方自治
地方議会は地方公共団体の運営にかんする議事機関であって立法権はないが、法律の範囲内で条例を制定できる。
第九章「憲法を改正する場合」
日本国憲法に準ずる)
第十章「(諦念)憲法最高法規である」
基本的人権や理性の概念が、残酷な戦争や人権抑圧国家を生んだ十九世紀、二十世紀の歴史を、国は国民に隠してはならない。
第十一章「憲法の施行にさいして」
各種宗教団体はこの憲法の批判や異議を国の機関に届け出る権利を有する。その記録は、国民が閲覧して各種議論の参考に供することができるよう、国はとりはからわなければならない。