明治

議会開設までの二十年間をまったく知らないので、勉強になる。それこそ、廃藩置県が行われた、富国強兵がとなえられた、西南の役が起った、自由民権運動が盛り上がったことぐらいしか知らなかったのである。

文学運動の意味ががらりとかわって見えてきた。つまり平和な現実を納得するための手続きだったのか。実存(体)は本質(心)に先行する? 鴎外は漱石の心をどう読んだのだろう。ほぼ明治元年うまれの漱石が明治に殉じるなんていうのは、どうも滑稽なような気がするのだが。すくなくとも山県有朋は殉じているどころではなかったろう。

いま西南戦争あたりを読んでいるので太平洋戦争がはるか未来の戦争に思えるのである。
愚直な権力者の生涯 山県有朋 (文春新書)