西園寺公望

西園寺は留学時代にパリコミューンを目撃して不快に思ったらしい。まあ西園寺の生まれからして当然だろうとは思う。正式な結婚をしなかったことに興味をひかれるが、とくにこの本でもつっこんだ考察があるわけではない。二十代のあいだ十年近くずっとパリ暮らしだったというのだからいろいろ想像してしまう。鼻血を押さえて勉強にはげんだというのだが。

山県有朋などがなぜ政党を嫌ったのか、そのニュアンスがだんだんつかめてきた。軍部や政党というのは、拡大するしかないものなのかもしれない。世界最終戦争をとなえた石原莞爾などは、山県あたりがもっと長生きしていれば、何をいっているのかさっぱりわからない未来人にみえただろうな。
古希からの挑戦 元老西園寺公望 (文春新書)