星新一はオーブリーを読んだか?

なんだかやっかいなことになってきた。

http://en.wikipedia.org/wiki/Francis_Bacon#Death

フランシス・ベーコンのニワトリ云々はオーブリーが起源ということでいいのだろうか? もとがこんなに古いと、日本に入ったのがいつかは確定が難しかろう。

で、石井栄一著『ベーコン』(清水書院)である。

一六二六年の三月の末、ベーコンは医師ウィザーボーンと同乗して、ハイゲートに向かっていた。大地は一面雪におおわれていた。当時、熱と寒冷の問題に関心をもち、寒冷は腐敗を防止するかという実験の欲求にかられて馬車を下りた。近くの家からメンドリを買い、内臓を除き、集めた雪を代わりに詰めた。その折、急に寒気におそわれて倒れた。グレイズ–イン法学院には帰れず、近くのアルンデル伯の家に身を寄せ、一時は留守中の主人に礼状を書くことができるまでに持ち直した。(82ページ)


そうだよ、偉人伝って雑学の宝庫だもんな、この清水書院のシリーズは盲点だった。

アシモフの雑学コレクション』 P.309 〜 P.310
> エリザベス女王時代の、科学に理解のあった哲学者、フランシス・ベーコンは、
>食料の保存法を研究した。鶏肉は、なかに雪を詰めたらいいと、試みている
>うちにかぜをひき、それがもとで死んだ。



『怪体新書』 P,67
>彼はとある厳冬のさなか馬車の中から眺めた降り積もる雪景色を見ている
>うちこの雪で肉や野菜の腐敗を防止できるのではないかと考えた「冷凍保存
>の元祖である」彼はさっそく馬車を降り、近くの農家から買ったニワトリの腹を
>裂き、雪を詰めこんだ「厳冬のさなかのこの作業のせいで彼はカゼをひき、
>それがモトで死んだという」



『倫敦千夜一夜』 P.172 〜 P.174
>エリザベス朝の哲学者フランシス・ベーコン卿はその昔にこの地に建って
>いた教会で洗礼を受けた。その六十五年後のある朝、彼は馬車でハイゲイト
>を走りながら、死後どうやって肉体を保存するかという課題を考えて続けて
>いた。その時、ポンド・スクウェアで鶏が眼にとまった。彼は馬車から
>降りてその首をひねり、死体に雪を詰めた。実験は成功したが、おかげで
>ベーコンはひどい風邪をひき、翌月に死んでしまった。もしポンド・スク
>ウェアに幽霊が出るということにでもなれば、それは彼の幽霊だろうと
>思われるのだが、出るのは鶏であった。大きくて白い、羽毛の抜けた姿で
>一羽だけ、たびたび現れるのであった。時には木の枝に止まっていたり、
>またある時は、こっこ、こっこと鳴きながら、狂ったように翼をばたばた
>させて、ぐるぐる輪をかいて走り回っていた。近年は現れることは稀に
>なり、現れても前ほどはっきり見えなくなった。なにしろ三百年もたって、
>気の毒な鳥の怒りもそろそろおさまりはじめたのかもしれぬ。

http://tondemonai2.blog114.fc2.com/blog-entry-237.html

中公の世界の名著にもあたりたいのだが、明日以降の課題だな。

とりあえず、


食料とは関係ない>石井、ブッシェル(『倫敦』)
食料の保存法の研究>星
食料という言葉は使っていない。しかし肉野菜の腐敗防止、「冷凍保存の元祖」>唐沢