なんで二度売りをあやまるのか

小谷野さんが著書の内容の二度売りを謝っているが…。

二度売りがいけないというのも、暗黙の商慣行だった。出版社が了解していれば何度売りしたって法的には問題ないし、読者にだって文面で報告しておけばいい。同じ話を使い回すのはよくて(そんな著述家はいっぱいいる)、二度売りを戒める意味がわからない。

同じ話の使い回しは、執筆時に、著者が自分の記憶にたよっているからよくて、二度売りは(その面倒さは、最悪の場合でも既成の出版物から著者自身が原稿に書き写すなり打ち込むなりする手間だけだから)いけないということなのだろうか。

ファンはあれこれの初出誌等を当たる手間が今後省けることを喜ぶべきである。

日本人が勝手に思いこんでいる公正さがいかに変なものか自覚した方がいいんじゃないか。