『PUSH 光と闇の能力者』

 キラという名前のキャラクターが登場するけれど、まさか『デスノート』を研究したのだろうか。そう思うくらいややこしい映画だった。まあ「『トータルリコール』をさらにひねった話」なんだろうという見当はついたけれど。こういう内容なら『NEXT』のほうが面白いなあ。母親が(ほぼ)登場しないからダコタ・ファニング(大きくなった)にあまり感情移入できないし。

 むかしから読心者や予知能力者はこういうの(『Xメン』や『サイボーグ009』)に出てくるけど、主役を張ることは少ない。作者がいろいろ考えるのが面倒だからだろう。今回も中盤の理屈がよくわからなかった。いろんな設定紹介を台詞で済ますのも良くない。組織が二流の超能力者をゆるく監視するのに止めている世界観は、ちょっと面白い。