清張『昭和史発掘』読んでる

明治大正と昭和初頭とでどうちがうかといったら、議会制民主主義が浸透したかどうかなのだなあ。というより社会がそれまでにいったんデモクラシーに飽き、倦んでた。いまよりよほど極端な虚無思想、アナーキズムが「流行って」いた。

幕末や明治初期と比較して、適当な間隔で権力が変更される議会制のほうが権力者が暗殺されることが少ない…ということもないか。原敬、犬飼毅…。「軍部」という戦後にないファクターがあるからだが。

清張は朴烈の大逆事件を「でっちあげ」としているが、これは清張の方が「客観」に足をとられているような気がする。もともと当時の法律が国民を好き勝手に殺していいものとして作られていたのだから、これは適正な法の運用だったと思う。そのうえ、死刑を執行しなかったのだ。