う〜む

図書館に中公日本の歴史がなかったので仕方なく借りたのだが…。

走る悪党、蜂起する土民 (全集 日本の歴史 7)

走る悪党、蜂起する土民 (全集 日本の歴史 7)

なにか宗教にまつわる表現にしばりでもあるのか、地の文に価値判断がまじった文句がつかわれていて、読んでて戸惑うのだ「悪党たちが春日社の神鏡を盗み出すという、とんでもないうわさが奈良に聞こえてきた」とか。べつに現代人にとってはなんでもないことなのに。「彼らはなぜそのような、大胆不敵というか無謀なことをしたのか」という表現も、よく考えたら体制順応的な官僚的心性がもろにでていて逆に面白い。しかも一方、そういう顧慮に欠けた心性を「従来の支配の枠組みに収まりきらない」「時代の先を行く人間」だなどと書いていて、なんだろうなと思う。中公日本の歴史が書かれた昭和40年代よりも、人文科学は悪くなってるというか、「猫なで声」になっているようだ。

私は個人の信仰心は馬鹿にしないが、宗教組織なんかには一顧だにしないが…。多くの人はこれらを区別しないようではある。