反復する爆発

わたしもご多分にもれず9.11のときは崩落する貿易センターの映像をビデオに撮ってくりかえしながめたくちである。突発的にとびこんできた非日常を日常に組み込もうとしてなかば無意識におこなった儀式であった。「やはり映画のCGはまだまだだなあ」などと不謹慎なことをおもいながら(儀式だからこそ軽口を叩くのである)PLAYボタンとREWINDボタンを押すのを反復していたわけである。


バンテージ・ポイント』を見て、そのころのことをふと思い出したわけだ。私なんかよりもアメリカ人にこそこの儀式はより必要だったろう。アルカイダによる列車爆破テロのおこったスペインでロケしているのだから象徴的意味は明白である。トラウマから回復するためにトラウマ体験に似たイベントをもよおす必要があったのだ。